「他に乗客のいないバスで小学生が大はしゃぎ。目的地で降りようとすると、運転手がそっぽを向いて...」(福島県・70代女性)
2024.02.12 18:00
料金を入れようとしたら...
放射性物質汚染の影響で、孫たちには伸び伸びと外で遊ぶこともさせてあげられていなかったので、数か月ぶりの外出。
私たち以外の乗客がいないバスの中で、孫たちははしゃいでいた。
私はと言えば、席は立たないように注意だけして、申し訳ないけれど、はしゃぐままにしてしまった。
孫たちの姿に胸が熱くなったからだ。震災のせいで、登校には暑くても長袖長ズボンに帽子を被り、その後ろ姿がとても切なかった。芝生に座ることも、草花を摘むことも、外で遊ぶことも無かった孫たちだから。
10分もすると目的地に着いた。私が最初に料金を入れ孫達も入れようとした。
その時、運転手さんが突然そっぽを向いて口を開いた。
「おじさんにはみんなの事が見えないなあ、見えないんだよなあ」