「学校の机に自分の悩みを書いた高校生の私。次の日登校すると、それを読んだ人から...」(兵庫県・30代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Tさん(兵庫県・30代女性)
吹奏楽部のオーディション数日後に控えた高校生のTさんは、毎日泣きそうになっていたTさん。
そんな不安を紛らわそうと、教室の机の端っこに不安を漏らすと......。
<Tさんの体験談>
今から15年ほど前の、私が高校生だった頃の話です。
私が通っていた奈良県のとある高校は全日制と定時制(夜間部)があり、教室はもちろん机や椅子も共有でした。私は全日制のほうで、夜間部の生徒と顔を合わせる機会はなく、自分がどんな方と同じ机を使っているのかなどは、全く知りませんでした。
机の端に小さく書いたメッセージ
その時、私は所属している吹奏楽部でコンクールに出るメンバーを決めるのオーディションを数日後に控えていました。
自分以外の部員や顧問、OBの前で一人きりで演奏するのです。ただでさえ上がり症なので、オーディションがとても怖くて、緊張で授業にも身が入らず、不安で毎日泣きそうな気持ちでした。
そんな心細さを少しでも紛らわそうと、私は机の端に小さく
「どうしたら緊張しませんか」
と書いてみました。
同じ机を使っている夜間の生徒がこれを目にするはず。返事はなくても今の自分の不安をとにかく誰かに洩らしたい......。そんな気持ちでした。
まさかの返事に、胸いっぱい
次の日登校してみると、私が書いた呟きと同じ場所に
「緊張してるのは自分だけじゃない、一人じゃないと思えば大丈夫だと思います。頑張ってください!」
と書かれていました。
あんな小さな呟きに返事をくれたこと、オーディションの話は一言も書いていないのにきっと色々と想像し、励ましの言葉まで添えてくれたこと、全てが嬉しく胸がいっぱいになりました。
不運なことにその日は席替えで、同じ机にお礼を書くことができず、それきりになってしまいました。何か別の方法でその方に感謝の気持ちを伝えられたかもしれないのに、当時の私は何も思いつかず、今でもずっと心残りです。
その時のオーディションでも、大人になってからも、緊張した時や不安な場面ではいつもこの出来事を思い出し、自分のお守りにしてきました。本当にありがとうございました。
お顔もお名前も分からないままですが、あの時返事をくれた優しい方が、今どこかで幸せに過ごしていることを祈っています。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)