「妊娠中、毎日２時間かけて通勤していた私。電車で立ってたら年配の女性客が『あなたお母さんでしょ？』」（福岡県・40代女性）

シリーズ読者投稿～あの時、あなたに出会えなければ～　投稿者：Kさん（福岡県・40代女性）

当時妊娠中だったKさんはその日、職場に向かうために混雑する電車の中で立っていた。

すると、目の前に座っていた年配女性にいきなり声を掛けられて......。

＜Kさんの体験談＞

私がまだ20代の頃、結婚して間もなく妊娠が判明。しかし、事務職だったこともありギリギリまで働こうと決めて、電車通勤を続けることにしました。

当時はまだ埼玉県に住んでおり、都内の職場まで2時間近くかけて通勤していました。

「ちょっと、あなた」

朝の車内はかなり混むので、ピークの時間から少しずらして乗っていました。それでも座れることは稀で、駅に着くまで1時間ほど立ちっぱなしということはよくありました。

ただ、若かったし特にしんどいと感じることもなく、それが当たり前と思っていました。

ある朝、いつも通り吊り革につかまって電車に揺られていたのですが、その日はちょっと寝坊してしまい、穿いていたタイトスカートのファスナーが完全に閉まっていなかったんです。

少しだけお腹が大きくなってきた影響で、腰の左横にあるファスナーが閉まらなかったようです。でも、9割方は閉まっていて目立たなかったので、そのまま出勤したんです。

その状態でぼんやり立っていたら、私の目の前に座っていた年配の女性が「ちょっと、あなた」と私に声をかけてきました。

「あなた、ここに座りなさいな」

彼女に急にそう言われて、私は不思議に思いながら「いえいえ大丈夫です」と断りました。するとその女性がこうおっしゃったのです。

「座った方が良いと思うわ。あなたお母さんでしょ？」

魔法使いかと思いました

あの時は本当に、本当にびっくりしました。

服装は完全なオフィススタイルでしたし、お腹の出っ張りは、私でさえほとんど変化を感じない程度だったのです。魔法使いかと思いました。

結局、その女性の隣の席がたまたま空いて、私はそこに座りました。女性はニコニコして私に話しかけてくださり、しばし雑談したと記憶していますが、話の内容は驚きのあまり全く覚えていません。

あの時お腹にいた息子は、来年20歳になります。私はもうすぐ50歳になります。

彼女と同じように、私も若い妊婦さんに声をかけられるようになりたいものです。

あの時は本当にありがとうございました。

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