頻繁に「行きたいなー」と言われるけれど... 「どこからも遠い」道の駅ウミガメ公園のつぶやきに反響
読者は、「道の駅ウミガメ公園」をご存知だろうか? なに、知らない? 知らないですって......! では、ご説明しよう。
「道の駅ウミガメ公園」は三重県の最南端に位置する紀宝町(きほうちょう)にある道の駅だ。ウミガメの保護・飼育を行っている場所で、施設内にある「ウミガメ水族館」で、大きなプールで泳ぐウミガメに出会える。1993年に開業したというから、もう30年近く営業を続けている。
もちろん、道の駅らしくおみやげショッピングも楽しめる。水族館と道の駅が合体した、きわめてユニークな場所である。
その「道の駅ウミガメ公園」のX(旧ツイッター)公式アカウントが2024年1月14日、次のようなポストを投稿し、話題となっている。
日本の主要都市から、紀伊半島の先端(?)にある「道の駅ウミガメ公園」までの移動時間を列記しているのだが......。
東京→ 6時間
名古屋→ 3時間
大阪→ 4.5時間
福岡→ 7.5時間
名古屋の3時間はともかく、その他の都市からは、どこからも相当に遠そうだ。
「絶対に来てくださいね?」と言われても、こんなに移動時間がかかることを告知したら、二の足を踏んでしまうのでは?
いったいなぜ、投稿をしたのだろう? Jタウンネット記者は「道の駅ウミガメ公園」にその狙いを聞いてみた。
「そんなに遠いんだ」
「道の駅ウミガメ公園」のX担当者は、今回の投稿のきっかけ、意図について、次のように答えた。
「投稿にある通り、ツイッターで頻繁に『行きたいなー』という声が聞こえて来たので、そのような方に向けて何か反応を返したいなーという思いと、ツイッターでしか当施設を知らない方がほとんどだと思い、実際に来たらこれくらいかかるよーと周知したく、今回の投稿をしました」(「道の駅ウミガメ公園」X担当者)
そして、自虐的とも言えるこの投稿には、2万8000件を超える「いいね」が付けられ、今も拡散している(1月17日時点)。
大きな反響を呼んだ原因は何だったのだろう? 担当者は次のように推測する。
「『遠いけど来てくれるよね?』という懇願するような姿勢にツイッターらしさを感じて下さった結果だと思います。また、来てくださったことのある方は、遠い事へ共感を、来た事のことのない方は、『そんなに遠いんだ』と驚きを感じて下さり、多くの方が反応して下さったのだと思います」
来てみないとわからない魅力
ちなみに、道の駅ウミガメ公園を訪れたことがある人たちから上がったのは、こんな声だ。
「道の駅を5エリア制覇した自分の中でもトップテンに入るくらいいい道の駅なんですよ ......唯一の問題点は、そこへ行くまでめちゃくちゃ遠いってことですかね......」
「昨年の夏に名古屋からお邪魔しました とっても楽しかったです 近かったら毎日行きたいくらい!」
「4.5時間かけて行きましたよー!途中で橋杭岩あるし楽しい日帰り旅行でした☆ どうしても子ガメのうちに見たかったので念願叶った」
「福岡からフェリーと車使って高野山・熊野→ウミガメ公園→伊勢神宮は最高でした」
「去年の3月千葉から行きました!名古屋観光も兼ねてたので千葉→東京→名古屋→熊野市駅→バスで行きました!いろんなカメちゃんに出会えて楽しかった」
「昔、好きでよく行ってました 奈良(北西部)からでも車で山道を3時間かかります」
「新潟から車で行った事があります! そこそこ遠かったです」
「大晦日に新潟からお邪魔しました これでウミガメさん会えるの3回目!(コロナ禍中に一度休館に行っちゃったので訪問は4回目)」
「ちなみに県内から出発しても2時間以上かかるエリアはざらにありますが、それくらいかける価値はあるいい場所ですよ!! 皆時間に余裕を持ってきてね」
皆さん、かなりの時間をかけてウミガメ公園に到達したようだ。
たとえ遠くても行きたくなる、この場所の魅力とは何なのだろう? 担当者は「これもひとえにカメ達の魅力あっての事だと思います」と語る。
「ウミガメやカメは、正直どこの水族館・動物園にも大抵います。しかし、カメが主役の飼育施設はそう多くありません。カメが好きな方は絶対楽しめる施設だと思います」
「カメには実際に来てみないとわからない魅力や面白さが詰まっていると思います」
カメに会いに行くためだけに、長時間ドライブ。そんな旅も面白い、のかもしれない。