「駅」なのに、最寄駅から車で10分? 線路つながらぬ銚子電鉄「ぬれ煎餅駅」とは何ぞや
千葉県のローカル鉄道・銚子電気鉄道(以下、銚子電鉄)に変わった駅がある――そんな噂を耳にした。
なんでも、鉄道が走っていないらしい。それって、どういうこと? 道の駅ってこと? 鉄道会社なのに......?
気になったJタウンネット記者は、さっそく噂の場所に行ってみた。

こちらがその駅。敷地内には、線路もないし、電車も見当たらない。かといって道の駅という雰囲気でもなく......ただの2階建ての事務所のような佇まいだ。

しかし、建物にはしっかりと、大きな文字で、こう書かれている。
「銚子電鉄 ぬれ煎餅駅」
どんな場所なの......?
銚子電鉄といえば、06年に廃線の危機に立たされた際、副業としてぬれ煎餅を製造し、その収益でピンチを乗り切った話が有名だ。
それ以来、今でもぬれ煎餅の製造を続けており、同社は帝国データバンク上では「米菓製造業」、東京商工リサーチでは「ビスケット類・干菓子製造業」に分類されている。
......とはいえ、何で「ぬれ煎餅駅」? いったい、どんな場所なの?
記者が恐る恐る潜入してみると、広がっていたのはこんな光景だった。

名物のぬれ煎餅、まずい棒、銚電マンシールといった銚子電鉄のお菓子やグッズ、そしてピーナッツや干物といった千葉県の名産品もズラリと並んでいる。


そう、「ぬれ煎餅駅」は鉄道の駅でもなければ、ましてや道の駅でもない。「鉄道会社直営のちょっと変わったあられ・煎餅の直売店」だったのだ!
忘れられない味に出会えた
正体がわかったところで、記者はさらに店内を探索。
すると、「手焼き体験コーナー」なるものを発見した。

予約不要で1枚100円。ぬれ煎餅を自分で焼いて食べられるコーナーだ。

コンロの上で生地をひっくり返して、膨れたら押しつぶすという作業を繰り返す。
完成した焼き立てのぬれ煎餅は、埼玉県民の記者が「うまい、うますぎる」と衝撃を受けるほどの美味しさだった。熱々の生地に甘めのタレの相性が抜群で、病みつきになってしまう! 東京に戻ってからも「もう一回、あの焼きたてのぬれ煎餅を食べるために銚子に戻りたい」と思ってしまうほどであった。

銚子電鉄の「ぬれ煎餅駅」は、銚子駅もしくは犬吠駅から車で15分。もしくは三崎三丁目バス停から徒歩6分ほど。あられやおせんべい、銚子電鉄グッズや千葉県のお土産を買いたい、そして何より焼き立てのぬれ煎餅が食べたい! そんな方はぜひ、「ぬれ煎餅駅」へ。