「寝台特急『北斗星』で札幌めざし一人旅。朝、個室のドアが叩かれて、開けると隣の部屋の男性が...」(東京都・50代男性)
隣の個室の男性に出会って...
ひと月前に予約したため、スムーズに部屋を確保できた。数か月後に「北斗星」の臨時化と廃止が発表されると、途端にチケットはプラチナ化していたが......。
乗車したのは6号車。B寝台個室のソロと半室がロビーとなっている車両だった。
上野を発車し、更けていく夜を満喫しながら車窓を楽しみ、一人食堂車でのディナーも楽しんだ。
一人ではあったけれど、そこは大好きな寝台特急。全く寂しいなどという感情はなかった。
23時過ぎ、仙台に到着したのでホームの様子を見ようと自室のドアの近くにいると、スキー板を担いだ初老の男性が乗車してきた。
彼は隣の個室の乗客で、その時は挨拶をするだけだったが、翌朝再び通路で顔を合わせると、いろいろ話をすることに。
北海道のどこかで行われるスキー大会に出場すること、寝台列車に乗ると必ず誰か見つけて話すことにしていること......私たちはしばらく話し込み、また部屋に戻った。
それからしばらくすると、部屋のドアを叩く音。開けると隣の彼がいた。