「バスの中で邪魔になってるベビーカーと息子の泣き声。後悔しながら降車すると、後ろから年配の女性が...」(東京都・40代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Yさん(東京都・40代女性)
Yさんはその日、生後2か月ほどの長男と一緒に、渋谷からバスに乗った。
最初は空いていたが、どんどん人が乗ってきて、開きっぱなしのベビーカーはどう見ても「邪魔」。Yさんはバスに乗ったことを後悔したという。
<Yさんの体験談>
私は2人の息子を持つ母です。
長男は16歳、次男は9歳。子育て経験も長くなり、そして手が空いてきたので、今は日本語学校で日本語教師として働いています。
子育て経験も生かしながら外国人に日本語を教える仕事にも精を出す日々。いつも思い出すのは、とある年配の女性です。
ただでさえ肩身が狭いのに、息子も泣き出して
ある日、まだ2か月ほどの長男と初めて一緒にバスに乗った時のことです。
渋谷の始発から乗車。初めは長男を乗せていたベビーカーも余裕があるくらいの乗客数で安心していましたが、途中からどんどん人が乗ってきて、幅のあるベビーカーはどう見ても邪魔。本当に肩身が狭くなってきました。
ベビーカーを畳んで抱っこするには、息子はまだ小さすぎました。早く目的地に着かないかな、とドキドキし始めていたところ......息子が泣き出したのです。
邪魔なベビーカーに赤ちゃんの泣き声。みんなさぞかし迷惑だと思っているだろう。バスに乗らなければよかった。
後悔しながらどうにか泣き止むようにトントンしても全く泣き止みません。「私が泣きたい」と思っていたところで、やっと目的地の停留所。
「すみません、すみません」と言って避けてもらいながらベビーカーを下ろしてやっと外へ。ホッとしながら歩き出したところへ、トントンと肩を叩かれました。
振り返ると笑顔の年配女性が
振り返ると年配の女性がいて、ニコニコしながら私にこう言って、去っていったのです。
「大丈夫!大丈夫!赤ちゃんは泣くものだから!」
涙が止まりませんでした。
ベビーカーをひいた母親はとても肩身が狭く、邪魔で舌打ちされたりした経験も沢山あります。
でも、ほんの一言で全てが救われた思いでした。
その経験から私は電車やバスで赤ちゃんが泣いていて大変そうにしているお母さんを見ると、「大丈夫ですよ!」と声をかけたり、できる限り赤ちゃんをあやしたりしてあげるようにしています。
あのときに「自分も子育てが落ち着いたらそういう風に声をかけてあげる人になる」と決めたからです。
17年前の出来事ですが、鮮明に思い出せるあの方に、本当にありがとうございましたと言いたいです。
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