「車道の真ん中でコケて動けなくなっていたヤンキー。私が助けに駆け寄ると、遠くから眺めていた人たちが...」(埼玉県・50代男性)
シリーズ読者投稿~自慢になってすみません~ 投稿者:Uさん(埼玉県・50代男性)
Uさんはその日、スクーターに乗った男性が事故を起こした場に居合わせた。
周りの人が遠くから様子をうかがう中、Uさんが慌てて駆け寄ると......。
<Uさんの体験談>
駅に近い二車線の道路が少し渋滞していたときのこと。
若者が片車線の真ん中をスクーターで走行中、自損事故でこけたようだ。
「ガチャン」という音を聞いた歩道の人は、何ごとか?と遠くから眺めていた。
信じられないことが起き...
こけた彼はヤンキーの兄ちゃんで、立ち上がれないようだった。
その時、突然30メートル前方から振り返りざまに、猛ダッシュで現場に走って来る男がいた。私だ。
立ち上がれない彼に近づき「大丈夫か?」と声を掛けた。
すると、信じられない奇跡がその場で起きた。周りで眺めていた多くの人達が、一斉に集まって来たのだ。
肩を貸して倒れた彼を起こす人達、スクーターのエンジンを切って道端に移動させる人達、交通整理をする人達など、それは見事だった。
結局、自分は1番はじめに来たにも関わらず、何をしたらいいのかも分かずモタモタして、テキパキと動く人達を眺める羽目になってしまった。
鈍臭い、活躍出来ない無能さを少し嘆いてしまった。かっこいいヒーローにはなれなかったのだ。
彼と周りの皆様の様子を見て、まぁこれで大丈夫だろうと安心し、こっそり立ち去ろうとした時だった。
他人の肩を借りて辛そうに歩く彼が、私を見つけて言ったのは、「ありがとう」だった。
彼は始めに声を掛けた自分のことを覚えていたらしい。自分も役に立てたのかなと思うと少し嬉しくなった。軽く会釈してお返しをした。
当時、キリスト教の聖書にある善きサマリア人の話が大好きだった私は、彼と隣人になれた気がした。
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