明らかに邪魔なのに、何故? 車道のド真ん中に「小さな神社」鎮座している理由とは
明らかに邪魔なのに、何故かある。
日本にはそんなお地蔵さんや仏塔が、たまに存在している。2023年9月にX(ツイッター)上で注目を浴びたのも、そんな神社だった。
Xユーザーの幣束(@goshuinchou)さんが9月6日に投稿した写真に写っているのは、2車線の道路のど真ん中に建つ神社。広いとは言えないスペースに、本殿や木製の鳥居、石柱なんかがちゃんと設けられている。
幣束さんのポストによると、この神社は高知県土佐市にある「神母神社(いげじんじゃ)」。
なぜこんな場所にあるのか。Jタウンネット記者は22日、付近の住民である土佐市議会議員・三本富士夫さんに話を聞いた。
神社を祀る漁師らが移設に反対
三本さんによると、神母神社がある道路は1989年ごろに拡張工事が行われた。
神社はもともとの道路の東側(現在の写真だと右側の車道がある場所)にあったため、拡幅にあたって移設の必要があった。どこに移設するかも、決まっていたという。
「しかし、神社を祀っていた漁師たちが移設に反対したんです」(三本さん)
漁師たちの反対にあって移設は難航し、道路を管理する高知県は道路の真ん中を移設先として提案。「落としどころが見つからずやむを得ず」の形だった。
「元々あった場所に限りなく近い場所とあって、道路の真ん中に落ち着いたのでしょう。あの場所に移設したのは、苦肉の策だったのでは」(三本さん)
その後、道路の真ん中から別の場所に移す案も出たそうだが、実現することなくそのままになっているという。