「自分がどこにいるかもわからず、ケータイの電波も入らない。夜の闇の中、車の後ろに何かを積み込む男たちに『何でもしますから』と懇願すると...」(北海道・30代女性)
「何でもしますから...」
その時わかったのは、明らかに暗くなってきていること、今すぐ引き返しても途中で真っ暗になるということだけでした。
すぐにでも全力で戻ればよかったのですが、途中で3回ほどものすごい坂道を下ってきたため、あれをまたのぼるのかと考えて......なぜか更に進む私。多分パニックになっていました。
さらに1時間ほど進み辺りが真っ暗になった頃、工事中の男性たちを見つけた私は、咄嗟に「助けてください。自転車できたけど、帰れる体力がなくなってしまって......」と頼みましたが、断られてしまいました。

少し先に歩くと、今度は車の後ろになにかを積んでいる男性2人を見つけました。
「助けてください......もう......何でもしますから......」
そう声をかけると、私の父親くらいの年代の男性が
「若い女の子が、何でもしますからなんて簡単に言うな!!2時間くらい待たせてしまうかもしれないけど、私も札幌に住んでるから車で送れるよ!それでも大丈夫かい?」
と言ってくださいました。
私はその一言で腰が抜け、涙が止まりませんでした。ああ、私生きて帰れるんだ......と思いました。