面接の日に寝坊した受験生が無理やり止めた白い乗用車 見ず知らずの男性に「送ってください!」と頼むと...(東京都・40代男性)
受験勉強の疲れで...
当時、埼玉に住んでいた私は公立高校の入試を受けました。初日が学力テスト、2日目が面接でした。
学力テストは決して満足のいく出来ではなく、当日の自己採点ではボーダーラインギリギリ。
2日目の面接は、内申点ベースに面接官とのやりとりとなります。本当にギリギリの合格ラインの点数で、失敗できない状況でした。
それだというのに、長らく続いた受験勉強の疲れからか、2日目の朝に寝坊してしまったのです。
いつも通り、父は朝早くに仕事に出かけ、母はパート先へ。まさか大事な日に寝坊するとは思わなかったと、後日母が言っていました。
私が目覚めたのは、確か集合時間の30分ほど前でした。受験校まではどんなに急いでも自転車で40分はかかります。
無我夢中でした。気がついたら近くの道路で、行きゆく車を無理やり止めて「試験に遅れそうなんです、送って下さい!」と身勝手に頼んでいました。なんで自分でもそんな行動をしたのか、未だに説明ができません。
2台目の挑戦で、白の乗用車が止まりました。運転手は不服そうに私を見ていましたが、必死さが伝わったのか、乗せて頂けることになりました。行き先の高校を告げると渋々向かって下さいました。
顔も服装も全く覚えていませんが、中年の男性でした。高校に到着した時、最後に「頑張れよ」と一言掛けていただいたことは忘れません。
自分のミスで自分勝手な行動に出たことは情けないし、かつ、その方のお名前や連絡先なども聞く余裕すらなかったです。
月日が経ち、このことをご本人にお礼することなどできません。せめて少しでも当時の私を救って頂いた方がいたという事実を誰かに知ってもらうだけでも、と思い投稿させて頂きます。
奇跡的にも受験した高校には合格できました。
30年前のあの日、あの方に助けてもらわなかったら、今の自分は違う自分になっていたかもしれません。本当にありがとうございました。
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