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「ほかに客のいない食堂でカツ丼を注文。半分残して出ようとすると店のおばさんが『お兄ちゃん...』」(千葉県・70歳以上男性)

Jタウンネット読者

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2023.07.31 11:00
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シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Tさん(千葉県・70歳以上男性)

57年前、Tさんは付き合っていた彼女にフラれたことでひどく落ち込んでいた。

彼は自分を見つめようと旅に出かけ、とある食堂に立ち寄ったときに......。

彼女にフラれ、ひどく落ち込んでいたときに...(画像はイメージ)
彼女にフラれ、ひどく落ち込んでいたときに...(画像はイメージ)

<Tさんの体験談>

今から57年前、21歳の大学時代のことです。当時1年半付き合っていた彼女に言葉の行き違いからフラれてしまいました。

大好きな彼女だったので落ち込み方がひどく、傍目で見ていても分かるくらいだったようです。

このままではいけないと思い、自分を見つめようと旅に出ました。

ヒッチハイクの旅に出た大学生時代

リュックを背負ってヒッチハイクをする甲州街道に立ちました。1時間ほどして「兄ちゃん、どこ行くんだい?」と30代くらいのトラック運転手の人が声を掛けてくれました。

「下諏訪の方まで」
「よし、途中までだけど、乗りな!」

そんなやりとりをした後、甲府まで乗せてくれることに。

親切なトラック運転手に出会えた(画像はイメージ)
親切なトラック運転手に出会えた(画像はイメージ)

降りる時に「ガソリン代を......」と言うと、「気にすんじゃないよ、俺も1人じゃつまんなかったし...ありがとうよ」と言ってくれました。

その日は鰍沢に住んでいる大叔母の家に泊まりました。大叔母には何も話しませんでしたが、翌朝になると「元気出すんだよ、困ったら使って良いから」と現金を渡してくれました。よほど暗い感じがして、気になったのでしょう。

甲府から韮崎まではヒッチハイクが出来なかったので歩き、昼頃に韮崎にある小さな食堂に入りました。

私以外誰もおらず、初老のおばさんがかつ丼を出してくれたのですが、まだ立ち直れていなかったので半分も食べられませんでした。

店を出ようとするとおばさんが...

店を出る時にお金を払おうとしたら、おばさんに言われました。

「お兄ちゃん、半分しか食べてないから、半額で良いよ」

「でも、僕が食べられなかったので......!」と言うと、「お兄ちゃん、これからも歩いていくんだろ?おばさんのおごりだよ、元気出して!」と言ってくれたのです。

半分しか食べられなかったのに...(画像はイメージ)
半分しか食べられなかったのに...(画像はイメージ)

この時に受けた親切を思い起こし、1年大学を休学して働き、ソ連・北欧・ヨーロッパ・中東へ一人旅に出かけました。

出発の時、母親が「出掛けてから読んで!」と手紙を渡してくれて、そこには次のようなことが書いてありました。

「あなたを捨てる人もいるけど、あなたを愛している人がいることも忘れないで!」

今があるのは私をそっと見守ってくれたいろいろな人たちの想いがあったから。

それからというものの、大学卒業後は映像の仕事に就き、ヨーロッパや北・南米、アフリカなど43カ国を回りました。そして自分の会社を作り、後輩たちに仕事の場を残して74歳で引退しました。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。

読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージメール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

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