驚きの素材で作られた橋が、ツイッター上で注目を集めている。 何で出来ている...?(画像提供:炬茶@houbou_kocha5さん) こちらはツイッターユーザーの炬茶(@houbou_kocha5)さんが2023年6月25日に投稿した写真。 注目していただきたいのは、手前に映っている白っぽい欄干のついた橋だ。なんだか奇妙なデザインである。 これが何かと言うと......投稿者・炬茶さんは画像と共に 「クジラの骨でできている」 と呟いている。 「かつて命だったもの」のひんやりとした感触 話題の橋は大阪市東淀川区にある瑞光寺の境内・弘済池にかけられている。その名は、「雪鯨橋(せつげいきょう)」。欄干に鯨骨の下顎部分と、扇骨(肩甲骨)が使用されている。 「やはり大きな生き物の跡がさも当たり前のように佇んでいることに対する畏敬に似た感情があります。触ったときにひんやりした感触があったのも、死んでるんだなぁと改めて思いました」 6月27日、Jタウンネット記者の取材に応じた炬茶さんは、現地で橋を目にした時のことを振り返ってそう語る。 クジラの骨でできた不思議な橋は多くのツイッターユーザーをも魅了し、6000件以上のいいね(3日夕時点)のほか、 「鯨術品」 「モンハンの世界や、、」 「スゴすぎる... 肩甲骨の使い方が素晴らしい」 など感嘆の声が寄せられている。 雪鯨橋の欄干(画像提供:炬茶@houbou_kocha5さん) 大阪市のウェブサイトによると、この橋の歴史は270年近く続いている。 1756年、捕鯨で有名な南紀太地浦(現在の和歌山県太地町)を行脚していた瑞光寺の住職に、不漁に悩む村長らが豊漁祈願を依頼。その後、漁獲が多くなったため、村人らは謝恩として黄金30両と鯨骨18本を贈った。その鯨骨で「雪鯨橋」は制作されたという。 クジラの骨ともなると、維持も管理も大変そうだが......そんなに長い間どうやって守ってこられたのか? Jタウンネット記者は7月3日、瑞光寺の住職・遠藤明文さんに話を聞いた。 「懺悔の意味で架けている」 住職によると、雪鯨橋はこれまでに7回架け替えられている。50年に1度もしくは元号が変わるタイミングで実施するそうで、直近では令和になった2019年にチェンジされた。 また、06年の6回目の架け替え時にはクジラの下あごを使った鳥居を模した建造物も新設された。 鳥居を模した鯨骨製建造物(画像提供:炬茶@houbou_kocha5さん) 「子供がいたずらをしていたら注意をする、といった人為的な被害を防ぐように心がけていますが、管理らしいことはしていません。自然の中で風化していく趣を大切にしています」(住職・遠藤さん) 雪鯨橋に対して、あえて過保護な扱いはしない。その上で、江戸時代からあるこの橋を「永遠に残し続けなければならない」という熱い思いを住職は持っている。 「人間は他の生物の命を犠牲にして生きていきます。そうして生きていくしかない人間の懺悔の意味で架けているのです」(遠藤さん) 雪鯨橋(画像提供:炬茶@houbou_kocha5さん) 瑞光寺を訪れた際には、雪鯨橋を渡りながら「命のありがたみ」について改めて考えてみるのもいいかもしれない。 なお、瑞光寺付近は住宅地のため、参拝時には配慮をお忘れなく。