ビニール傘の処分、実は「MAXめんどくせえ」 駅や電車、オフィスビルの放置傘に企業は苦悩...「傘シェアリング」で解決目指す
年間約8000万本の「使い捨て傘」を消費する日本
Nature Innovation Groupによれば、「1回の雨で150万人が傘に困り、そのうちの15万人が仕方なく傘を買っている」と推測されている。その結果、日本全国で毎年約8000万本の使い捨て傘が消費されているのだという。
同社ではそんな問題を解消すべく、駅を中心に「アイカサ」のシェアリングスポットの展開をスタートした。同社代表取締役社長の丸川照司さんいわく、現在、首都圏の400弱の駅に設置済み。そして首都圏を中心に、観光地や地方も含め、2024年中に1000駅ほどの設置を目指しているという。
発表会に登壇したJR東日本スタートアップ(本社:東京都港区)・シニアマネージャーの阿久津智紀さんは、アイカサと連携した背景として、元々駅や電車内から出る使い捨て傘の処分に困っていたことを明かした。 そして2019年からJR東日本の一部駅にアイカサを設置。利用者からの評判は上々で、着々とその設置数を増やしているという。
また、会見には今年度から始まる「2030使い捨て傘ゼロプロジェクト for ビルディング」に参画する企業も登壇。オフィスビルの管理を行うジャパンリアルエステイトアセットマネジメントや東京建物、東急不動産リート・マネイメント等の担当者らが、オフィスビル周りに捨てられた壊れた廃傘や、ビルから出る持ち主不明の使い捨て傘の処分についての問題などを挙げた。
その上で、アイカサのレンタルスポットを設置することで廃棄物の削減やビルで働く人々の環境改善などの効果を実感・期待していると語った。
アイカサは、ただエコで便利というだけではなく、種類の多さも魅力のひとつ。旭化成ホームプロダクツやSUNTORY、TOKYO GASなど、多くのパートナー企業とオリジナルのコラボ傘も多く制作しており、街中の設置場所でそれらに出会うことが出来る。
今後は駅やオフィスだけではなく、学校や観光地など、身近な場所への設置をもっと増やし、2030年には「使い捨て傘ゼロ」になることを目指していく。
素敵なデザインの傘をさすと、雨の日で沈んだ気持ちもちょっと晴れる。しかもゴミを出さずに済むし、ビニール傘を買うより経済的(1本あたり24時間110円)。急な雨が多くなっていくこれから、検討してみてもいいかもしれない。