「一人旅の帰り道、急遽乗ることになった見知らぬ車。強面スキンヘッドの運転手に、空港の入口で下ろしてほしいと伝えたけれど...」(埼玉県・60代女性)
見知らぬ人の車に乗ることに...
東京行きの便が出るまであと30分。バスの運転手さんは車体を側道に横付けして、渋滞で止まっている後続の乗用車の運転手さんたちに声を掛けました。
どうやら小型の乗用車であれば、曲がったガードレールを避けて広い道に出られるようでした。
何人かの運転手さんは、バスの乗客を分乗させることを引き受けてくれました。
1人だった私は2シーターのフェアレディZの助手席に乗ることに。フェアレディの運転手さんはスキンヘッドにサングラス、派手な縦縞のシャツ姿で強面の方でした。
恐る恐る「お願いします」と言うと、無言で車は走り出します。
車内では矢沢永吉の曲がガンガンかかっています。「少し苦手だなぁ」と思い、私も黙ってしまいました。
ものの10分ほどで小松空港が見えてきました。
私は「入り口付近でけっこうです」と言ったのですが、彼は無言で搭乗口に近い奥の駐車場まで乗せてくださいました。
降車しながらお礼の言葉を伝えると
「ついでだから気にしないで」
と颯爽と走り去ってしまいました。
咄嗟のことで駐車場代も渡せず、お名前を聞くこともできませんでした。