「一人旅の帰り道、急遽乗ることになった見知らぬ車。強面スキンヘッドの運転手に、空港の入口で下ろしてほしいと伝えたけれど...」(埼玉県・60代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Kさん(埼玉県・60代女性)
Kさんは一人旅を終え、福井駅からリムジンバスで小松空港に向かっていた。
しかし途中で、バスが事故に巻き込まれてしまい......。
<Kさんの体験談>
2014年の6月、福井旅行での出来事です。その日、一人旅を終えた私は福井駅からリムジンバスで小松空港に向かっていました。
側道から空港に続く広い道路に出る手前で、バスの前を走る白い車がガードレールに衝突。
その際に曲がってしまったガードレールに阻まれ、大型のバスは側道から出られなくなりました。
見知らぬ人の車に乗ることに...
東京行きの便が出るまであと30分。バスの運転手さんは車体を側道に横付けして、渋滞で止まっている後続の乗用車の運転手さんたちに声を掛けました。
どうやら小型の乗用車であれば、曲がったガードレールを避けて広い道に出られるようでした。
何人かの運転手さんは、バスの乗客を分乗させることを引き受けてくれました。
1人だった私は2シーターのフェアレディZの助手席に乗ることに。フェアレディの運転手さんはスキンヘッドにサングラス、派手な縦縞のシャツ姿で強面の方でした。
恐る恐る「お願いします」と言うと、無言で車は走り出します。
車内では矢沢永吉の曲がガンガンかかっています。「少し苦手だなぁ」と思い、私も黙ってしまいました。
ものの10分ほどで小松空港が見えてきました。
私は「入り口付近でけっこうです」と言ったのですが、彼は無言で搭乗口に近い奥の駐車場まで乗せてくださいました。
降車しながらお礼の言葉を伝えると
「ついでだから気にしないで」
と颯爽と走り去ってしまいました。
咄嗟のことで駐車場代も渡せず、お名前を聞くこともできませんでした。
飛行機の時間には...
受付カウンターに到着した私は、リムジンバスが事故に巻き込まれたので、あと十数人が遅れて来ますと伝えました。
その後飛行機の出発時間が遅れるとアナウンスが流れ、東京行きの飛行機に無事間に合った私はほっと胸を撫で下ろしました。
あの日の強面のお兄さん、本当にありがとうございました。
私の人生初の一人旅の忘れられない出来事です。
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