「見知らぬ女性にタクシーに乗せられた幼稚園児の私。知らない裏道を通り、到着した場所は...」(高知県・50代女性)
知らない人についていってはいけないのに
いつも乗る時は父と一緒でしたので父の姿を探しましたが、父はすでにいませんでした。
電車内に幼稚園の制服を着た幼児がポツンと取り残されていることに、運転手さんが明らかに困った顔をしていたのを覚えています。
幼児に代替策など浮かぶこともなく困惑していたところ、車内にまだいた髪の長いOLの方が申し出てくださいました。
「この子の制服たぶん聖母幼稚園の制服だから、私、そっちの方向なのでついでに連れて行きます」
それを聞いた運転士さんはホッとした顔をしていました。

その人は私をタクシーに乗せ、並んで後部座席に座りました。
「知らない人についていってはいけない、誘拐される」と繰り返し両親に言われていた私は、タクシーが裏道で知らない道を通ることも手伝って、完全に誘拐されてしまうと思い込み、唇を噛みしめていたのを覚えています。
突然幼稚園に着き「ほら。着いたよ。一人で緊張したわね。よく頑張ったね。バイバイ」とおろしてくれました。