「あのカード」入れた時だけ富士山出現! 山梨の伝統工芸使ったパスケースがナイスアイデア
デザイナー「誰にも言っていません」
青い山肌に雪をかぶった、見事な富士山になるのだ!
日本一の山を手中に収められるこのパスケースは、山梨県の伝統的工芸品で、鹿革に漆で模様付けする「甲州印伝」の製品だ。伝統工芸士(総合部門)の甲州印伝職人・山本裕輔さんが経営する「印傳の山本」(山梨県甲府市)と、グラフィックデザイン事務所「セメントプロデュースデザイン」(大阪市西区)が共同開発したブランド「SAIKA」から販売されている。
法人会員用「EX-ICカード」を入れた時のことを計算してデザインされたものなのだろうか? Jタウンネット記者は5月11日、セメントプロデュースデザインを取材した。
ブランドと商品のアートディレクション・デザインを担当した江里領馬(えり・りょうま)さんによると、話題のパスケースには、ICカードをパスケースから取り出す日常の動きの中で「富士山」や「山梨県」を少しでも感じてほしい、という思いが込められている。
そしてもう1つ、意識していたものがあるそうだ。
「これは印伝の山本さんやセメントチームの誰にも話していませんが、パスケースのデザインを考える際、実はEX-ICカードを若干意識しながらサイズ、フォルムなどを決めていました。普段からEX-ICカードを使っていて、あの位置に白いVの模様があることは知っていたので」(江里さん)
江里さんは何かをデザインするとき、「ちょっとした気づきや喜びをユーザー様に少しでも差し上げることができたらいいな」と考えている。今回のパスケースの場合は、法人会員用EX-ICカードを使った人だけに訪れる、「得する気分」だ。
もちろん、EX-ICカードだけを対象にした商品ではない。どのICカードを入れたってかまわない。
富士山型の穴から何を覗かせたら可愛いか、考えるのも楽しいだろう。
「SAIKAパスケース/kanoko」はホワイト、ネイビー、ブラックの3色展開。印傳の山本オンラインショップ、セメントプロデュースデザイン運営のオンラインショップ「コトモノミチ」で販売中。価格は1万1000円(税込)。