「新幹線で自分の席にいた僕に、乗務員が『移動しよう』。見知らぬ若い女性の隣に座らされ...」(福岡県・30代男性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Tさん(福岡県・30代男性)
親戚の家に行くため、1人で新幹線にのることになった小学4年生のTさん。
右も左もわからず、言われた通りの席に座っているうちに、眠ってしまっていた。そんな彼の元へ、乗務員がやってきて......。
<Tさんの体験談>
小学4年生の夏休み、一人で親戚の家まで旅をすることになりました。
博多駅から新神戸駅まで電車に乗るだけなのですが、田舎者の僕はどこに乗っていいかも、どこで降りていいかもわかりませんでした。
「席を移動しよう」
博多駅から乗る時、母親が乗務員さんに、子供が一人で新幹線に乗ることは伝えてくれていました。
僕は乗務員さんから言われた席に座っていたのですが、不安な気持ちはありながらも、気づいたら寝てしまっていたんです。すると、乗務員さんが僕のところへ来て
「席を移動しよう」
と言ってきました。促されるままに移動すると、20代半ばくらいの女性2人組の隣の席へ座らされました。
おそらく乗務員さんは、「駅に到着するときは対応できない」と思ったのでしょう。同じく新神戸駅で降りるその女性たちに一緒に降りるように頼んでくれていたのでした。
女性たちは不安そうな僕にいろいろと話しかけてくれたのですが、人見知りで恥ずかしがり屋なために下を向いたままうなずくことしかできませんでした。
結局、女性たちは新神戸駅に着き、改札を通り、親戚が迎えに来てくれるところまで一緒に行ってくれました。
「本当に一人で大丈夫?」と心配してくれたのに...
その日はたまたま駅までの道が混んでいて親戚の迎えが遅れたため、待ち合わせ場所にはまだ誰もいませんでした。
当時は子供が携帯電話を持つような時代ではなく、連絡するにも公衆電話を探すしかありません。女性2人組は
「本当に一人で大丈夫?」
「駅員さんを呼んでこようか?」
と、色々と心配してくれましたが、僕は子供ながら泣きそうになるのを見られたくなかったため、「電話するから大丈夫、大丈夫」とうなずいて、お礼も言わず去ってしまいました。そのあと、無事に親戚が迎えに来てくれました。
あの時の僕は田舎者で人見知りで、彼女たちには本当に申し訳ないことをしたなと今でも思っています。
どこの誰かも分からず、顔もまともに見られませんでしたが、本当にあの時はありがとうございました。あの旅と、あの時のお2人の存在は一生忘れられないと思います。
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(2023年3月20日11時編集部追記:記事初出時、投稿内容の「運転手」となっていた部分を「乗務員」に訂正しました。)