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「東日本大震災の翌朝、瓦礫の中を歩いてきた中年男性。私を見るなり笑顔になって、リュックの中から...」(岩手県・50代男性)

大山 雄也

大山 雄也

2023.03.10 12:00
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私を見るなりニコニコして...

自宅は津波で流されたと思うけど、家族だけは生きていて欲しい。

私はそう思いながら、どこが道路かもわからない瓦礫の中をとにかく夢中で歩きました。

その途中、反対側から誰かがこちらに向かってくるのが見えました。リュックサックを背負った、50代の男性でした。

リュックサックを背負った中年男性が歩いてきて...(画像はイメージ)
リュックサックを背負った中年男性が歩いてきて...(画像はイメージ)

その人は私を見るなりニコニコと笑顔を浮かべて声をかけてきました。

「何か食べた? おにぎりあるよ」

彼はそう言うと、リュックから手作りのおにぎりを2つ取り出し、その内1つを私に差し出しました。さらに「半分飲んでしまったけど良かったら」とペットボトルの水までくれたのです。

そして、ニコニコしながら「頑張りましょう」とだけ言って瓦礫の中を歩いて行きました。

貰ったおにぎりを食べたら涙が出ました。「頑張ろう」と思い、再び歩き始めました。

11年経った今でも鮮明に覚えています。あの時は本当にありがとうございました。

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