「酔っ払った次の日、目覚めたら知らない家にいた。コソッと外へ抜け出して帰ったら、妻が...」(埼玉県・50代男性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Uさん(埼玉県・50代男性)
夜、楽しくお酒を飲んだUさんが朝日を浴びて目覚めると、知らない家にいた。
焦って別の部屋を覗くと、そこに寝ていたのは......。
<Uさんの体験談>
10年ほど前、得意先の方と巣鴨でお酒を飲んだ後のことです。
その人は15歳ほど年下でしたがすごく気が合って話が盛り上がり、いい感じで酔っ払っていたと思います。
そんなに遅くない時間にお開きとなり巣鴨駅で別れたのですが、そこからの記憶がなく......。
「やってしまった」と思いつつ安心
次の日、太陽の日差しがまぶしくて目が覚めました。二日酔い状態の私がいたのは、見たこともない家のリビングでした。
「やっちまった」と焦りましたが、気持ちを落ち着かせ、誰かいないかそっと隣の部屋を覗くと、ベッドに横たわる人の後ろ姿が見えました。昨晩一緒に飲んでいた方のようです。
再び「やってしまった」と思う一方で、知っている方だったので安心しました。おそらく酔っ払った私を家に泊めてくれたのでしょう。
廊下の隅には赤ちゃん用のゆりかごのようなものがあって、「いつのまに!?」と驚きつつ微笑んでしまいました。寝ているところを起こすのも悪いので、午後か明日になってからお礼の連絡を入れようと思い、こそっとマンションを出ました。
「どこに行ってたの!」
自宅に帰るや否や妻がそう言いました。そして、昨夜もらったという電話について話し始めました。
得意先の人と巣鴨駅で別れてから、私は自宅がある埼玉方面ではなく、なぜか山手線の池袋方面に乗ってしまっていたようで、その後、目白駅の近くの道路で倒れていたらしいのです。
それを見つけた見知らぬ方が介抱してくれて、ポケットにあった携帯から妻の番号を探し出し、連絡してくれていたのです。
ではあの人は、誰?
あれっ? では、あの人はだれ?
頭が真っ白になりました。私が目覚めた家にいたのは、見知らぬ方。酔った私を介抱し、真冬の寒さで凍え死ぬと心配し、自宅に連れて帰ってくれたのです。大都会東京で、こんなことってありますか!?
私はあわてて電車に乗って、記憶をたどって止めていただいたマンションを探し出しました。
しかし、酔っていたせいか部屋がわかりません。どうしようかと思いましたが、とりあえず昨日の出来事と一言お礼を言わせていただきたいという旨を私の連絡先と共に記載し、マンション内のすべての郵便受けに投函しました。
人通りの少ない道路でそのまま寝てしまっていたら、命を落としていたかもしれません。
本当に本当にありがとうございました。
お礼を伝えることが出来なかったのが、今でも心残りです。 いろんな人にあの時の話をしていますが、みんなに「ありえない!」と言われます。
そして「世の中にそんな心の優しい人間もいるんだな。二度と会えることはないかもしれないが、一生の出会いだったな」とも。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
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