これは「やりきれない」な... 「ヤリキレナイ川」の看板、雪に埋もれてしまう
「以前見た時よりも遥かに息苦しそう」
22日、Jタウンネット編集部の取材に応じた一人旅研究会さんによると、写真は5日に撮影したもの。以前にも同じ看板を撮影したことがあったが、その時と今回ではまったく異なる雰囲気だったという。
「雪深い地域のため、ヤリキレナイ川の看板の足がすっぽりと埋まってしまうほどの雪に包まれており、以前見た時よりも遥かに息苦しそうにしているように感じました。
その姿が、社会の荒波にもまれながら生きている自分の人生と重なってまさしく『やりきれない』感情がこみ上げてきました」(一人旅研究会さん)
なお、「ヤリキレナイ川」の名前の由来は諸説あり、看板には「ヤンケ・ナイ」(魚の住まない川)、「イヤル・キナイ」(片割れの川)と2つのアイヌ語が書かれている。
それが「ヤリキレナイ」という正式名称になった理由として、1つの言い伝えがあるそうだ。
由仁町公式サイトによると、大雨の度に氾濫するヤリキレナイ川に家屋や耕作物を流され、「やりきれない」状況に追いやられていた住民たちは、明治時代にこの川を「ヤリキレナイ川」と呼び始めた。そして1966年、またしても大雨で氾濫したために災害復旧工事の補助金申請書を出すことになった際、職員が通称である「ヤリキレナイ川」と書いたことで、すべてにおいて「ヤリキレナイ川」と表現するようになったのだとか。
北海道の冬空の下、なんともやりきれない姿を見せたヤリキレナイ川の看板。その存在自体が、やりきれない過去を持っていた。