「焼き場から帰るバスの中、夫の遺骨を抱いて泣き続けた私。同乗していた葬儀屋のおばさんがそれを見て...」(北海道・40代女性)
「泣かないと約束して」
骨になった夫を抱いて、私はずーっと、シクシク泣いていました。当時4才と8才だった娘たちも、どうしていいかわからず、ただただ大人しくしていました。
すると1番前に座っていた葬儀屋のおばさんが、急に意を決したように振り返り、こう言ったのです。
「バスを降りたら泣き止みなさい。小さい子供たちの、これからの為に。
バスの中ではいっぱい泣いていいから。バスを降りたらもう子供たちの前では泣かないと約束して」
そしておばさんは、「これからいっぱい大変な事があると思うけどきっと大丈夫。子供たちがいるから大丈夫」と言って、私の肩を何度もさすってくれました。
あの時、私はおばさんに「ありがとう」もお伝え出来ず、ただただ泣いていました。
今、あらためて、心からありがとうと伝えたいです。
11年が経ち、大変なこともいっぱいあったけど、なんとか生活してきました。上の娘も、成人式を迎えることが出来ました。
あれから子供たちの前では泣いていません。仏壇の前で、1人で泣く事はあったけれど......ちゃんと、おばさんとの約束を守っています。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
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