「あんまバカするなよ」
登りは楽しくてただ頂上を目指していたのですが、登頂した頃には気づけばすでに日が傾き初めていました。
さすがに不安にかられ、暗くなった森を慌てて下山。しかし、どうにか麓までたどり着いた時には既に辺りは真っ暗になっていました。しかも、道を間違えて、登った方と反対側の見知らぬ地域に出てしまったのです。
途方にくれた私たちは、トボトボと灯りを目指して歩きました。そこに、シルエットだけでもいかついとわかるほどの見知らぬ男性が声をかけてきたのです。
「終わった」と絶望したのを覚えています。
ですが、その男性はいたって優しく事情を聞いて、こう言ってくれました。