さすがカニの本場! 兵庫・香住の旅館を照らすライトに心を挟まれる
見かけたら思わず二度見、いや三度見してしまいそうな「ランプ」が、ツイッター上で注目されている。
こちらは、名鉄観光サービス(本社:愛知県名古屋市)のツイッター公式アカウント(@MWT_Travel)が2023年1月31日に投稿した写真だ。
廊下の角に設置されている桶のような容器。その中からニョキっと顔を出しているのは......でっかいカニの爪! しかも、爪の中がぼんやりと光っている。そう、これはカニの爪の形をした間接照明なのである!
一見シュールで、そして得も言われぬ味のあるランプに、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。
「斬ったら中からかぐや蟹が出てくるのかしら...」
「『つかんだら離さない』という強い意志を感じる」
「ステキすぎるっっ!」
このステキな照明、一体どこで見つけたのだろうか? Jタウンネット記者は2月3日、同社のツイッター担当者に話を聞いた。
「帰るまで10回以上は見た」
担当者が「カニの爪ランプ」を発見したのは1月29日、プライベートで宿泊した兵庫県香美町の旅館で見つけたものだという。
「先日行った旅館......最高に...いかした......照明だっ......た......3度見した」
と投稿で呟いている通り、発見した時はさながら漫画のワンシーンのように二度見、三度見をしてしまい、そこからは無心で写真を撮っていたそうだ。
「旅館の1階の廊下付近にありましたので、通る度に目で追ってしまい、帰るまで10回以上は見てしまっていたかと思います。あとで写真を見返すと、画像越しでもかなりのリアリティだったなと感じております」(担当者)
担当者は、すっかり心を挟まれてしまったらしい。
このランプはいったい何なのか。Jタウンネット記者は2月3日、「カニの爪ランプ」を設置している香美町・香住の旅館「丸世井(まるせい)」を取材した。
カニの本場、香美町
取材に応じた同旅館社長の清水浩仁さんによると、話題のランプは12年ほど前から旅館の玄関近くに置かれているもの。
「旅館に宿泊するお客さん、特に小さいお子さんなんかには、『かわいい』とか『大きい』などと言われて、喜ばれているようです」(清水さん)
兵庫県北部の香美町といえば、日本有数の蟹の水揚げ地として有名な香住漁港や、柴山漁港がある町だ。
特に香住漁港は、冬には松葉がに(ズワイガニ)、秋から春にかけては近畿ではここでしか水揚げされない香住がに(ベニズワイガニ)の漁が行われるなど賑わいを見せる、まさに「カニの本場」なのだ。
そんな土地柄から、香美町では毎年9月には「香住ガニまつり」、11月には「香住松葉がにまつり」というお祭りを開催。カニをはじめとする地元の海産物や特産品の販売や素人せり市といったイベントが行われている。
丸世井の清水さんによると、「丸世井」の玄関に設置された「カニの爪ランプ」も、それらのイベントにちなんで生まれたものなんだとか。
今はまさにカニのシーズン。今年まだ食べていない! という人は、光る巨大なカニのハサミに導かれるまま、香美町を訪れてみるのはいかがだろう。