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「いかがわしい裏通りで、『オロナミンC買ってよ~!』と喚く3歳の息子。渋々与えたら瓶を割り、音を聞きつけた強面の男が...」(東京都・50代女性)

大山 雄也

大山 雄也

2023.01.31 11:00
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シリーズ読者投稿~忘れられない「あの人」と~ 投稿者:Fさん(東京都・50代女性)

その日、Fさんは幼い二人の息子たちを連れて病院へ向かっていた。

病院は渋谷にあり、たどり着くには、強面のお兄さんが歩いている「繁華街の裏道」を通らなければならない。急いで通り抜けたいのに、3歳の次男が自販機の前で「オロナミンC買ってよ~!」と大声で喚きだした。

自販機で飲み物をおねだりされて......(画像はイメージ)
自販機で飲み物をおねだりされて......(画像はイメージ)

<Fさんの体験談>

23年ほど前、次男が3歳、三男が1歳の頃の話です。三男はアトピーが酷く、渋谷にある皮膚科へ頻繁に通っていました。

病院へはまずバスに乗り、それを降りてからは繁華街の裏道、少々いかがわしい通りを歩かなければなりません。その日もバスを降り、裏通りに入りました。

自販機の前で次男がわめきだして...

皮膚科はいつでも混んでいるので大変なことでしたが、三男を連れて行くときはいつも、次男も一緒。三男を抱っこし、次男の手を引いて急いで歩いてると、自動販売機の前で次男が大声で喚きだしました。

「のどが渇いたよ~! オロナミンC買ってよ~!」

いつもはそんな高い飲み物を買うことはありませんでした。しかし、そこへ強面のイカツイお兄さんが通りかかったので、私は子供の大声を怒られるかと思い、また、皮膚科へ急いでいたこともあり、渋々オロナミンCを買い与えることにしました。

イカついお兄さんが通り過ぎた(画像はイメージ)
イカついお兄さんが通り過ぎた(画像はイメージ)

ところが、栓を開けて次男にオロナミンCの瓶を渡した途端、落としてしまったのです。瓶は無残に割れ、中身もすべて道にぶちまけてしまい......。

その音を聞きつけて、先ほど通り過ぎて行った強面のイカツイお兄さんが戻ってきました。

割れた瓶の破片を拾い集めて...

「なんか今、すごい音がしたけど、どうしたの?」

とお兄さんに言われ、私は「わぁ、怒られるのかな」と思ったのですが、彼は

「ああ、瓶割れちゃったんだね、大丈夫?」
「すぐそこのコンビニに行くから割れた瓶は捨ててあげるよ」

と、割れた瓶の破片を素手で拾い集め、あっという間にその場を去って行ってしまいました。

割れた瓶の破片を拾い集めてくれた(画像はイメージ)
割れた瓶の破片を拾い集めてくれた(画像はイメージ)

私も次男も唖然としてしまい、うまく言葉で彼に何か伝えられたかどうか、よく思い出せません。

ただ、今でもあの時のことを思い出すと、外見で判断してしまったことへの申し訳なさと、「本当になんて優しい行動をしていただき助けてもらったのか」という感謝の気持ちがどんどん込み上げてきて、心が和みます。本当にありがとうございました、と何度でも伝えたい出来事です。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。

Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。

読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko[@]j-town.net、[@]を@に変えてお送りください)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度~)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

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