「産科で母乳育児を指導されたけど、なかなか出なくて疲れ切った私。中年の女医に相談すると『まったくね~...』」(福島県・40代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Dさん(福島県・40代女性)
20年前、Dさんは出産したばかりの息子の育児に苦労していた。
医師からの指導で母乳による育児を行おうとしても、なかなかうまくいかず......。
<Dさんの体験談>
2003年1月9日、私は佐賀県の産婦人科で男の子を出産しました。夫の転勤先で馴染みのない土地、里帰りはせずに両家の母親に手伝いに来てもらっていました。
病院から指導があって、「母乳育児」を行おうとしたのですが、私の母乳の出が悪く、悩む日々が続きました。
「母乳母乳という先生が多いけど」
初めての子供だった事もあり、当時の私は母乳じゃなければならないと思い込んでしまって、心身ともに疲れ切っていました。
お腹が満たされずに泣いている我が子を見て、このままでは可哀想だと思い電話帳をめくり始めた私。産婦人科のページを見つけ、藁にもすがる気持ちで電話をかけました。
年配の看護師さんに事情を話すと、「連れていらっしゃい」と言われたので、私は急ぎタクシーでその病院へ。着いてみると、古い佇まいで昔ながらといった雰囲気の産婦人科医院でした。
診察室には、中年の女医さんがいらっしゃいました。私が話し終えると、その先生はこう言ったのです。
「まったくね~。母乳母乳という先生が多いけど、それを言ってるのは母乳が出ない男の先生よ。私だってミルクで育ったんだから。すぐミルクあげなさい」
それを聞いて、私は途端に気持ちが楽になりました。、必死に涙を堪えたのを覚えています。
「こうしなければいけない」に縛られないで
知らない土地で、当てずっぽうにたどり着いた病院で救われた私は、家に帰るとすぐに息子にミルクを与えました。
もう産婦人科の名前も思い出せませんが、あの時は本当にありがとうございました。あれから20年経ち、息子は先日めでたく成人式を迎えることが出来ました。
今、子育て中のお母さんたちにも、「こうしなければいけない」に縛られないでほしいと伝えたいです。気持ちも体も楽にならないと、子育てを楽しむ事は出来ませんから。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
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