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「名古屋城」や「熱田神宮」まで、もう迷わない! 名古屋市営地下鉄、終電後に一気に仕上げた「新・駅名標」

松葉 純一

松葉 純一

2023.01.20 08:00
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2023年1月4日、名古屋市にある4つの地下鉄駅の名称が、いっぺんに変わった。

1駅、2駅ならともかく、4駅も変更になったのだ。

同日、ツイッターには、次のような写真付きのツイートが投稿された。

ピカピカの駅名標である。

名古屋民は、すでに慣れてきたころかもしれない。しかし、これから久々に名古屋に行く、という人たちは、混乱してしまう可能性もある。

そこで今回は、何駅から何駅に変更されたのかを、各駅の変化と共に見ていこうと思う。

理由は中村区役所の移転

各駅の写真を投稿したのは、「色々ありそうで何も無い街、でも生活するには何かと便利な街。都会なのは一部だけで、イメージより田舎。そんな名古屋市に君もおいでよ」とプロフィールに掲げるアカウント「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さん。名古屋の様々な情報を発信している。

現・太閤通(「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さんのツイートより)
現・太閤通(「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さんのツイートより)

おいなごさんが、名古屋市営地下鉄の駅名が変更されるかもしれない、と知ったのは2017年3月。名古屋市が「市役所駅」の駅名に「名古屋城」を入れる検討を始めることを報じた、日本経済新聞の11日付の記事がきっかけだった。

この時に検討の理由として述べられていたのは、市役所駅が名古屋城の最寄りであることが、観光客にはわかりにくいという指摘があったから、というものだ。「そういえば名古屋城に行くとき、(隣駅の)名城公園で降りそうになったのを思い出しました」と、投稿者「おいでよ名古屋@おいなご」さんも語っていた。

つまり、駅名の変更は5年ほど前から検討されていたのだが、それが2023年に行われたのは、「中村区役所」の移転が関係している。

旧・中村区役所(「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さんのツイートより)
旧・中村区役所(「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さんのツイートより)

名古屋市の資料によると、旧・中村区役所は1964年に作られ、建物の老朽化などが原因で十分な区民サービスが提供できない状況にあった。地域住民からも改築の要望が提出されていたという。

そこで、敷地面積が広く、区全体からアクセスしやすい地下舘東山線「本陣駅」の近くにすることに。新庁舎の業務開始日が、駅名が変わったのと同じ23年1月4日だった。

つまり、旧・中村区役所駅は区役所前ではなくなるので、名称変更をする必要があった。そこで、「太閤通」という地名を駅名にすることになったのだ。

なお本陣駅の駅名は変わらず、駅名標に「中村区役所」と付記されている。

名古屋城の最寄り駅は、「名古屋城」

「太閤通」以外の3駅の変更も、区役所の移転と合わせて実施された。

名古屋市交通局は2021年1月25日、ウェブサイト上で駅名変更の実施時期について「令和4年度中に予定されている中村区役所の移転にあわせて実施します」と述べている。

旧・市役所(「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さんのツイートより)
旧・市役所(「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さんのツイートより)

5年前から検討されていた「市役所」駅は、名古屋城への案内効果を高めるために「名古屋城」駅に変わった。

Jタウンネット記者の取材に応じた名古屋市交通局・運輸課担当者によると、「名古屋城・市役所」や「名古屋城(市役所)」などの候補も出たが、結局、「名古屋城」駅に変え、「市役所」「県庁」は駅名標のみに小さく付記することに。

現・名古屋城(「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さんのツイートより)
現・名古屋城(「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さんのツイートより)

名古屋城の最寄り駅は、「名古屋城」。観光客も間違えて隣駅で降りることはなくなるだろう。

「熱田神宮西」駅と「熱田神宮伝馬町」駅

旧・神宮西(「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さんのツイートより)
旧・神宮西(「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さんのツイートより)

「観光客にわかりづらい」という指摘は、名古屋市のもう一つの代表的な観光地、「熱田神宮」についても上がっていたという。

熱田神宮の最寄り駅は、「神宮西」駅、「伝馬町」(てんまちょう)駅だったが、これでは観光客にはよく分からない、もっと分かりやすく、という要望もあったようだ。この問題を解消するため、「熱田神宮西」駅、「熱田神宮伝馬町」駅に改名されることになった。

現・熱田神宮西(「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さんのツイートより)
現・熱田神宮西(「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さんのツイートより)

スマホのマップアプリを片手に、地下鉄を乗り継いで名古屋の街を移動するのは、なかなかシンドイかもしれない。でも、「名古屋城」駅、「熱田神宮西」駅、「熱田神宮伝馬町」駅という名称があれば、なんとか自力で辿り着けるかも......。

一気に4駅の駅名変更は、観光客にとってはありがたい、「ラッキー!」な改革と言えるだろう。

仕上げは3日の終電後

現・熱田神宮伝馬町(「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さんのツイートより)
現・熱田神宮伝馬町(「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さんのツイートより)

1月4日に駅名が変わったのだが、駅名標などの変更作業はどのように行ったのだろうか。名古屋市交通局運輸課担当者はこう語った。

「駅ホームの駅名標や路線図、時刻表などは、半月以上も前から、変更後の新表示を既に貼っておき、その上から部分的に変更前の表示のシールを貼っておりました。1月3日の終電の後に、シールをはがすという作業を行いました」(名古屋市交通局運輸課担当者)
旧・伝馬町(「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さんのツイートより)
旧・伝馬町(「おいでよ名古屋@おいなご」(@oinagoya)さんのツイートより)

つまり、相当前から、膨大な数の表示物の貼替えの準備が、用意周到に着々と進めてられてきたわけだ。

2026年には、名古屋市を中心に、愛知県内や、東海地方の各地で、夏季アジア競技大会・パラ大会の開催が予定されている。それに伴って、アジア諸国からの観光客の増加も期待されている。

名古屋を訪れたら、名古屋城や熱田神宮に行ってみたいはずだ。駅名が変わったことで、迷う人は減るだろう。それに「ここにあるんだ、行ってみようかな」と思い立つ人もいるかもしれない。

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