横浜に「うさぎ本しかない本屋」があるらしい オーナーを直撃したら「うさぎ愛」が溢れてた
神奈川県横浜市に、うさぎの本しか置いていない本屋さんがある――。
横浜在住のJタウンネット記者はそんな噂を聞きつけた。
うさぎの本しか置いていない本屋って、どういうこと? 2022年12月22日、早速現地を訪れた。
......のだが、本棚には仕切りごとにさまざまな本が置かれている。
「うさぎ本しかない本屋」、じゃないじゃん! そう思ってしまったが、早合点だった。
ここは、「mass×mass関内フューチャーセンター」の一階にある「LOCAL BOOK STORE kita.」。沢山ある棚の一つ一つがそれぞれ違うオーナーが運営する書店で、そのうちの一棚がうさぎ本しかない本屋「本屋うさぎ道」なのだ。
ウサギを飼い始めたら、かわいすぎて...
ウサギの絵本に、ウサギに関する物語、ウサギの写真集に飼育本。棚の中は、確かにウサギの本ばかり。
そんな「本屋うさぎ道」の店主が、米澤智子さんだ。
普段はフリーランスで中小企業診断士やPRプロデューサーとして活躍しているという米澤さんがなぜ、「うさぎ道」のオーナーとなったのか。そのきっかけとなったのは、米澤さんが21年2月から飼い始めたホーランドロップ「こむぎ」ちゃん(2歳・女の子)だった。
こむぎちゃんのかわいいところを「全部ですね」と断言する米澤さん。特にモッフモフなところや可愛い耳、まんまるなお目目がたまらないという。その一方で、こむぎちゃんを飼い始めてからウサギの魅力と同時に飼育の大変さも知った。
「一番大変なのは病院が少ないことです。動物病院でも犬猫しかみないところもあり、ウサギを見てくれる病院が見つかっても特定の曜日にしかお医者さんがいないということもあります」
ウサギは体調が悪くても表に出さず、夜に体調が悪くなり朝まで様子を見ようと思っても手遅れになってしまう場合もあるそう。仕事中でも夜中でも具合が悪くなると、病院につれて行かなければならず、かといってどこの動物病院にウサギを見てくれる医者がいるとも限らない。そのため米澤さんはウサギを見てくれる病院を三つもキープしているという。
ウサギの魅力はもちろんだが、飼育する上で注意しなければならないことをもっと多くの人に知ってもらいたいと思い、米澤さんは21年9月に本屋うさぎ道を出店した。
自宅の本棚の延長で...
うさぎ道の棚に並ぶのは、読んで役に立ったもの、写真や絵で癒されるものなど、米澤さんが他の人にも読んでほしいと思った本。
自宅にウサギ関連本が増え、読み終わったものを捨てるのはもったいないと思っていたタイミングで、「LOCAL BOOK STORE kita.」のオーナー募集があり、「自宅の本棚の延長で本屋が開けることが面白い」と応募することに。
最初は数冊だったがウサギを飼っている人やウサギ好きの人から反響があり、だんだんと本を増やし、今では30冊ほどになった。
オーナーとなった「一棚本屋」をウサギ本に特化させたのには、中小企業診断士ならではの考えもある。
「なんでもそろってるというのは大手企業のやることで、中小企業は何かに一点突破してコアな顧客を取っていくのがセオリーだと考えています。○○な本屋さんっていう方が覚えてもらいやすいなと思い、ウサギの本屋に特化しました」(米澤さん)
確かに、「絶対にウサギと関係があるいろんなジャンルの本」が集まっている、というのはウサギ好きにとっては忘れられない存在になるだろう。
卯年――ウサギの年である2023年。ウサギの魅力をもっと知りたい人はぜひ足を運んでみてほしい。