お口の中が抗争状態 茨城発「メロンカレー」があまりにもスリリングだった件
カレーライスの世界は実に奥深い。
スパイスの組み合わせや中に入れる調味料や具材によって、とんでもない絶品になることもあれば、ぶっ飛んだ味になることもある。
今回紹介するのは、ぶっ飛んでる方だ。
その名も「メロンカレー」である。茨城県鉾田市の磯山商事が、市の名産品であるメロン(生産量日本一!)と茨城県の銘柄豚・ローズポークを合わせたご当地レトルトカレーだ。
「適度に熟した食べ頃メロンのほのかな香りと甘さが豚肉や特製直火焼きルウと上手にマッチしています」(パッケージ裏の記載より)
......本当に、マッチしているのだろうか?
お口の中で抗争勃発
早速、メロンが入った異端カレーを温めてみると、香りは至って普通。見た目もちゃんとカレーライスだ。
なんだ、大してぶっ飛んでないじゃん――そう安心しきっていた記者だったが、この後すぐに「おみまい」されてしまったのである。
スプーンが最初に拾い上げたのは、柔らかな物体であった。アロエに似ていたが、もしかして、これがメロン? 確信が持てないまま口に運んだ。
......なんじゃあこりゃああ!
己の中に眠っていた松田優作が叫ぶ。謎の物体から放たれるのは、しっとりとした甘み。おそらくこれがメロンなのだろう。
正直言って、カレーとは、合わない。食感もドロッとしていて、決して心地よいとは言えない。カレーのスパイシーさとメロンの甘味香りがぶつかり合い、両者一歩も譲らない。喧嘩だ。口の中で「ビー・バップ・ハイスクール」が繰り広げられている。
和解なんてしてくれない
一口目からメロンとカレーの相性の悪さを実感してしまったが、メロンの果実らしきものはこれ以上見当たらない。果肉さえ食べてしまえばもう大丈夫だろう。
あとはカレーとローズポークのハーモニーを優雅に楽しもう......。そう考えていた記者が、甘かった。
ルウとカレーをスプーンに乗せて、パクッ。う~ん、美味しい♡――とはならなかった。ご飯と甘めのルウの後にやってくるのだ、あいつが。
そう、しっとりとした甘みとさわやかさを含んだ香り。メロンである。
食べ進めていくうちにわかったが、メロンの味がルウに溶け込んでいるのだ。一緒に煮込んでいるのだろうから、考えてみれば当然だ。結局、食べ終わるまで口の中は戦場。こいつら、ずっと喧嘩している。カレーとメロンは犬猿の仲だったらしい。
しかし、このスリリングな戦いを、不思議と楽しく感じてしまった自分もいる。
普通のカレーにはもう飽きた。たまには辛さ以外の刺激も欲しい――そんな人にはうってつけのカレー、かもしれない。