「蝶に蝶注意」って...どういうコト? 鹿児島の離島で目撃された「注意看板」が謎すぎる
「#これを見た人は記憶に残った看板を貼れ」
そんなハッシュタグを添えて投稿されたある看板が、ツイッター上で注目を集めている。一体どんな看板なのかというと......。
こちらは、鹿児島県の離島・喜界島で撮影された写真。
四角くて黄色い看板には、「喜界町」「CAUTION!」という文字と共に蝶のイラストが描かれている。
さらにその下の白い長方形の看板には、こんな文字が。
「蝶に超注意!」
ちょうに、ちょう、ちゅうい。声に出して読みたくなる日本語である。蝶に注意するとは、どういうことなのか。しかも、ただ注意するのではなく「超」注意しなければならないとは?
謎の注意看板に、ツイッター上ではこんな声が集まっている。
「いっぱい出るって...こと?」
「モスラでそう」
「『蝶サイコー!』じゃないですか!w」
この看板、一体なに? Jタウンネット記者は8日、まずは投稿者であるツイッターユーザー・柳澤静磨(@UABIrurigoki)さんに話を聞いた。
ゴキブリ採集のために喜界島へ
柳澤さんは静岡県磐田市にある昆虫や自然と触れ合える施設「竜洋昆虫自然観察公園」の職員であると同時に、ゴキブリ研究者としても活動し、「ゴキブリスト」と名乗っている。
20年6月30日も、ゴキブリ採集のために喜界島を訪れていた。そして林道で「蝶に超注意!」の看板を発見したという。
「場所は正確に記憶しておりませんが、喜界島はアサギマダラという種類の蝶が生息していることで有名なので、発見した時は『流石!』と思いました」(柳澤さん)
なお、当時看板の周りにはたしかにたくさんの蝶が飛んでいたとのことだ。
この看板、どういう経緯で設置されたものなのだろうか。
Jタウンネット記者は13日、喜界町役場企画観光課にも話を聞いた。
「蝶の飛び交う隆起サンゴ礁の島」
喜界島のキャッチコピーは「蝶の飛び交う隆起サンゴ礁の島」。「海を渡る蝶」として世界的にも珍しい「アサギマダラ」の旅の中継地として有名だ。日本列島を秋に南下し、春に北上するこの蝶は10~11月と5~6月に喜界島に飛来する。
また、暖かい地方に地域に住む「オオゴマダラ」が生息する北限であるとも見なされ、町として捕獲や卵の採取等を禁止する保護条例を制定している。
取材に応じた同課の職員によると、話題の看板はそんな蝶たちを守るために作られたものだ。
アサギマダラを始めとした数多くの蝶が飛来するので、走行中の車などが蝶にぶつかったり、道の蝶を踏んだりしないよう、およそ15年前に当時の役場産業振興課(現在の農業振興課)の職員によって設置されたという。
ちなみに、かなり印象的な「蝶に超注意!」というフレーズを看板とした理由について、担当者は
「『蝶の飛び交う隆起サンゴ礁の島』であることを踏まえておもしろおかしく、かつインパクトに残るようにと考えて選びました」
と説明した。蝶が飛来する時期に喜界島を訪れたら、「超注意」しよう。