「帰省の途中の飛行機で大泣きする0歳娘。冷や汗ダラダラで席を立つと、周囲のビジネスマンやマダムたちが...」(香川県・30代女性)
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Sさん(香川県・30代女性)
Sさんはその日、生後8か月の娘と一緒に飛行機に搭乗した。
しかし、娘が機内で泣き始めてしまい、どんなにあやしても泣き止んでくれず......。
<Sさんの体験談>
私は18歳で妊娠、19歳で長女を出産しました。周りはまだまだ遊び盛りで子育ての話を出来るような友達はおらず、両親も近くに居ない環境で、分からないながら毎日必死で子育てしていました。
当時の私はギャルのような風貌だったせいか、あるいは若かったからか、心無い言葉を掛けられることも多々ありました。そんな中、娘が生後8か月になる頃、香川から東京の実家に飛行機で帰省する事になったんです。
「他のお客様もいらっしゃいますので...」
「久しぶりに両親に会える」とウキウキしながら飛行機に搭乗。しかし、ご機嫌斜めになってしまった娘がぐずり始めて何をしても泣き止まなくなってしまいました。お菓子やおもちゃをあげたりと出来る事は全部やりましたが、効果なしです。
ついにはCAさんに
「ミルクをお作りしてきましょうか?」
「オムツ交換されますか?」
「他のお客様もいらっしゃいますので何かできることは......」
などと言われてしまう始末。
私の親が良かれと思ってグレードアップしてくれた席で、周りの乗客はビジネスマンやマダム達ばかりです。降りられるものなら今すぐ降りたいくらいで、冬なのに私は冷や汗でびっしょり。
とにかく何かしなければと、私は席を立って周りのお客さん達に「すみません。なぜ泣き止まないのか分からなくて......今色々と試していますので、本当にすみません」と謝ります。すると、皆さんがが口々に言いました。
「若いのに頑張ってるね」
「赤ちゃんは泣いて肺が強くなるよ」
「イヤホンしてるし全然気にならないよ」
「丸々していて可愛いわ~大事に育ててるのがわかるわ」
「きっと怒られる」と覚悟していたが...
「きっと怒られる」と覚悟して席を立ったのに、たくさんの人が励ましてくれて、私は嬉しいのとホッとしたので涙が止まりませんでした。
その後、飛行が安定したと同時にスッと眠りに付いた娘。降りる時には手を降ってくれる方もいて、お陰で無事に実家に辿り着く事ができました。
今では私は3人の娘の母で、長女は当時の私と同じ歳になりました。次は私が、誰かにとってのあの方達のような存在になりたいです。
あの時は、温かく見守ってくださりありがとうございました。
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