「福井県のお米が挨拶してくれた」 ツイッターで話題の「巨大コメ袋」は一体ナニモノ?直接会いに行ってみた
「福井県のお米『いちほまれ』が挨拶してくれた」
そんな不思議なつぶやきと共に投稿された動画がツイッター上で注目を集めている。
いちほまれとは、「コシヒカリ」発祥の地である福井県が6年間の歳月をかけて開発したという新しいブランド米。そんなお米が挨拶をしてきたっていったいどういうこと......?
考えても謎は深まるばかりなので、話題の動画をご覧いただこう。
商業施設の通路を、「いちほまれ」の大きな袋が歩いている。撮影者がカメラを向けていることに気付いたのか、通り過ぎながらこちらに向かってペコリ。た、確かにお米が挨拶してくれている......!
この動画は、2022年10月9日にツイッターユーザーのまいまい(@maimai_graffiti)さんが投稿したもの。シュールでどこかカワイイ「いちほまれ」の姿に、4万を超える「いいね」(11月4日時点)が寄せられている。
「なんじゃこれはめちゃくちゃかわいい...!」
「可愛い系妖怪だ」
「この子のぬいぐるみがほしい」
「面白可愛い。ゲゲゲの鬼太郎に混ざってもわからん」
と心を奪われたユーザーも多いようだ。
「道行く人に袋の端をピロピロしていました」
10月27日、Jタウンネット記者が投稿者のまいまいさんに話題の動画を撮影した際の話を聞いところ「いちほまれ」と遭遇したのは、同月9日の13時頃。「東京交通会館」(東京都千代田区)でのことだった。
「建物の中に入った途端、知らないゆるキャラが歩いてきたので、とっさにスマホの動画モードで撮影していたところ、いちほまれくんご本人に会釈されました。 その場に居た人達も、いちほまれくんに道を譲るために壁に沿って立ち止まっていましたが、頭の上に?が出ていたと思います」(まいまいさん)
調べてみると、交通会館ではこの日、「いちほまれ」の試食・販売イベントが行われていた。まいまいさんによると「いちほまれくんは、そこでも道行く人に、袋の端をピロピロしていました」とのこと。
袋の端をピロピロしてご挨拶をするいちほまれくん、可愛すぎる。
だけどそもそも、「いちほまれくん」って、何なんだ......?
記者はこの謎すぎる存在について、福井県と福井県JAグループからなる「ふくいブランド米推進協議会」事務局に話を聞いた。
元々は「バックダンサー」だった
事務局の担当者によれば、いちほまれくんの初登場は2021年度に制作した「いちほまれ」のCM。出演する本田望結さんと本田紗来さんの周りで踊る「バックダンサー」だった。
「キモかわいくて、動きも面白いということでご好評をいただき、引き続き試食会などのイベントでも活動しているという形になります。今年度のCMにもちらっとですが出演しています」(事務局担当者)
しかし、「肩書き」や「立ち位置」がかっちりと決まっているわけではなく、正式な名前も付けられていないそう。
「『いちほまれくん』や『袋ちゃん』など、事務局内でもいろいろな呼び方で呼ばれています。『一反木綿』とか呼ばれてることもありますね」(事務局担当者)
今後、名前を決めていくかどうかについては検討中で、まだ未定とのことだが......。
「人によって異なる名前で呼んでいる」という事実は「妖怪っぽさ」が凄くて面白いので、記者個人としては、名前のない状態で突き進んでほしい。
会いに行ってきたら、意外と...
話を聞けば聞くほど、いちほまれくん(仮)に会ってみたい気持ちが高まってきた。
そんなとき、横浜の赤レンガ倉庫で3日から6日まで開催されている「全国ふるさとフェア2022」にいちほまれくんがやってくるという情報を入手した。そして記者は横浜在住。これはもう、会いにいくしかない。
そして4日朝、記者はいちほまれくん(仮)との邂逅に成功した。ふくいブランド米推進協議会が「いちほまれ」の新米を試食・販売するブースに、その袋はいた。思っていたよりも大きい。
袋上部がピロピロと動くだけ......かと思いきや、結構アクティブ。片足を上げたり、サイドステップを踏んだりと元気な様子を見せてくれた。いつもいるわけではなく、活動時間も短めとのことなので、会えてよかった。
ブースでは、いちほまれくん(仮)のぬいぐるみやイラストも発見。もはやだんだん普通の米袋も可愛く見えてきて、新米をおうちに連れて帰ることにした。
特に新米の時期、福井県は「いちほまれ」を積極的にアピールしているので、いつかあなたの町にもいちほまれくん(仮)が出没する日も、来るかもしれない。