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これはナイスアイデア! 側溝に設けられた「カエル用スロープ」がめちゃ優しい

福田 週人

福田 週人

2022.10.17 13:00
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突然だが、まずはこちらの写真をご覧いただきたい。皆さんは、これがどういったものか分かるだろうか?

側溝にちっちゃなスロープがある(画像はびっきょ@bickyonさんのツイートより)
側溝にちっちゃなスロープがある(画像はびっきょ@bickyonさんのツイートより)

こちらは、宮崎県在住のアマチュア写真家・びっきょ(@bickyon)さんが2022年10月10日に投稿した写真。映っているのは、道路に降った雨水を排除するための側溝だが、その途中に小さなスロープが設けられている。これ、何のためにあるものなの?

画像には、こんなつぶやきが添えられている。

「側溝に落ちても所々にカエル用のスロープがあるから大丈夫です」

そう。このスロープは側溝に落ちてしまったカエルが脱出できるようにするためのものなのだ!

細かいながらも小動物への思いやりに溢れた設計に、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。

「カエル用があるとは・・・素晴らしケロ」
「初めて知りましたが素晴らしいですね!全国に広まってくれ!カエルくんだけじゃなく他の生物にも優しくていいっすね」
「日本各地に設置して頂きたい」

優しさ満点のスロープを絶賛する人が続出しているのだ。Jタウンネット記者は12日、投稿についてびっきょさんに話を聞いた。

「全国各地で普及することを願っています」

びっきょさんは、普段は里山や自然公園を巡りながら野生のカエルを撮影しているという。名前の「びっきょ」も、九州南部の方言でカエルを意味する言葉だという。

そんなびっきょさんがカエル用スロープを発見したのは10日の午前8時頃、場所は鹿児島県鹿児島市内の自然公園だ。

カエル用スロープのそばには、こんな看板も設置されている。

「小動物が落ちた時でも自然に抜け出せるように」(画像はびっきょさん提供)
「小動物が落ちた時でも自然に抜け出せるように」(画像はびっきょさん提供)
「この公園には10年ほど前からヒキガエルやツチガエルを観察するために月1~2回通っていますが、5~6年前の遊歩道整備工事の際にこのスロープが設置されました」(びっきょさん)

以前にネットで同様の物を見かけた事はあったものの、実物を見たのは初めてだそう。投稿写真の他にも数か所に設置されていたとのことだ。

「以前は側溝から出られなくなったカエルや小動物を見つけて救出する事がしばしばありましたが、スロープのおかげでその心配が無くなりました。小動物に優しい取り組みに感謝しています。このような構造物が全国各地で普及することを願っています」(びっきょさん)

こうした「小動物を保護する側溝」というのは、いつ頃からあるアイデアなのだろうか。

Jタウンネット記者は14日、岡山県真庭市で同様の側溝を製造している企業「ランデス」の技術開発本部マネージャー・野村修治さんに話を聞いた。

水路に落ちたカエルが死んでしまう

野村さんによると、ランデスではおよそ30年前から小動物に配慮した側溝を開発・製造を行っている。その名も「ハイダセール」だ。

「弊社では以前よりコンクリートブロックの製造やそれを用いた工事を手掛けてきました。しかし、例えば河川に頑丈な護岸ブロックを設けたことによって魚の住む場所が無くなってしまった、といった事例などを受けて、環境にも配慮した製品作りへと取り組むようになりました。『ハイダセール』もその一つです」(野村さん)
側溝の片側が全面斜路になっているバージョン(画像はランデス提供)
側溝の片側が全面斜路になっているバージョン(画像はランデス提供)

「ハイダセール」は、ある希少な生物の存在がきっかけで考案された。

「岡山県南部~兵庫県辺りに分布しているダルマガエルという希少なカエルが、田んぼの中のコンクリートの用水路の中に落ちて死んでいる、という例があったんです。
そこで、側溝に落ちても自力で脱出できるようにスロープを作れば良いのではとなり、当時倉敷市の川崎医科大学で生物学の教授をしていた方にアドバイスを受けて開発に乗り出しました」(野村さん)
実際にカメがスロープを登る様子(画像はランデス提供)
実際にカメがスロープを登る様子(画像はランデス提供)

同社が「ハイダセール」を設置しているのは、主に圃場整備の際に新しく作る水路や、林道・山道など。カエルやサンショウウオといった両生類を始め、様々な小動物が溝の底から這い出せるよう、尽力している。

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