廃線から37年、今も「誰かの日常」の中に。 駐車場に残り続ける「線路の跡」が感慨深い
1985年11月、北海道小樽市から1本の鉄道路線が姿を消した。
南小樽駅から手宮駅までを結んでいた「手宮線」だ。1880年11月に開業したこの路線は、1962年に旅客営業が廃止され、その後は貨物線として使われていたが、85年に廃線となった。
しかし、線路や遮断機などの遺構を残した散策路が整備されるなど、小樽はその面影を大切にし続けている。
とはいえ、そのすべてが散策路などとして整備されているわけではない。
廃線から37年が経った今、手宮線の名残が不思議な光景を生み出している場所も存在する。
例えばそれは、こんな風景だ。
駐車場にひっそりと残っている
こちらはツイッターユーザーのひろりん△(@hiroring0323)さんが2022年8月1日に投稿した、手宮線の跡地を写した1枚だ。
現在この場所は駐車場として使われているのだが、その中には鉄道のレールがしっかりと残っている。
この光景を見て「この情景が誰かの日常だと思うと、感慨深いです...」と呟くユーザーも。
調べてみると、レールが残っているのは70年以上の歴史をもつ老舗の寿司店「おたる政寿司 本店」の駐車場。同店は、北海道ジェイ・アール都市開発から土地を借りて運営しているそう。
Jタウンネット記者は8月4日、土地を保有するJR北海道の広報部にレールが現在も残り続けている理由を聞いたが、国鉄時代に廃線となったこともあり、今となってはレールが残っている理由は「わからない」とのこと。
廃線となって土地の役割が変わっても、その場に在り続けるレール。散策路と違って人々から注目されるわけでもなく、今後もひっそりと人々の生活を見守っていくのかもしれない。