夏の館林より、さらにアツい! 手元から火花噴き上げる「館林手筒花火大会」の圧倒的迫力
「『これぞ男の仕事』と感じさせる様な迫力」
そんなコメントと共に投稿された写真が、ツイッター上で話題になっている。
盛大に飛び散る無数の火花の中で、法被に身を包んだ男性が大きな筒を抱えている。見るからに熱くて大変そうだがひるむ様子もなく、どっしり構えるその姿は「カッコいい」の一言だ。
こちらは、東京でレコーディングエンジニアを務めている「あゆ」(@auki999)さんが2022年7月23日に投稿した写真。大迫力の一枚に、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。
「これ・・・マジなのか??」
「迫力ときれいさがぐっと伝わってきます!」
「日本の職人はかっこええ」
これは一体、なにを写したものなのか。Jタウンネット記者は31日、投稿者のあゆさんに話を聞いた。
Jタウンネット記者は31日、投稿者のあゆさんに話を聞いた。
無風状態なら、10メートルほども吹き上がる火柱
あゆさんが話題の写真を撮影したのは23日に群馬県館林市で開催されていた「第23回館林手筒花火大会」でのことだという。
「手筒花火を見ることがこの3年間できなくて、館林の手筒花火は念願の撮影でした。特に手筒花火の発祥は愛知の豊橋で有名ですが、関東ですと群馬の館林は中々の迫力でした」(あゆさん)
館林手筒花火大会とはどんなイベントか。Jタウンネット記者は8月12日、館林市役所つつじのまち観光課・観光振興係主任の矢嶋保紘さんに聞いた。
「手筒花火大会」という名の通り、同大会の特徴はあゆさんも撮影した筒型の花火。長さ約1メートル、直径20センチほどの竹筒を荒縄で覆った筒から火花が噴き出す。花火を持つのは、地元有志による団体「館林煙硝会」のメンバーだ。
矢嶋さんが提供してくれた大会に関する資料によると、この花火の筒を抱きかかえて火柱を真上に打ち上げる状態を「放揚(ほうよう)」といい、愛知県三河地方の伝統的な文化とされている。
「徳川四天王で知られる館林藩の初代藩主榊原 康政(さかきばら やすまさ)が、天文17(1548)年、榊原長政の次男として三河国上野郷(現在の愛知県豊田市)に生まれた縁から、平成11(1999)年4月『つつじまつり』の関連イベントとして、市観光協会が豊橋市在住の手筒花火伝承者谷野泰弘(たにのやすひろ)氏に出演を依頼したことが契機です」(館林市役所提供資料より)
「また来年も行きたくなった」
なお同大会は1999年から毎年行われていたが、過去3年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止されており、22年は3年ぶりの開催となった。
あゆさんは、現地での光景を振り返って
「日本の伝統を大事に身体を張る姿、漢気、とてもカッコ良かったです。また来年も行きたと思える素敵なお祭りでした」
と語る。
館林の夏の暑さにも火花の暑さにも負けないほど「アツい」雄姿は、花火と同じくらい輝いている。
館林煙硝会の母体である江戸神輿同好会「長良睦会」のウェブサイトによると、次の「第24回館林手筒花火大会」は23年7月22日19時30分~20時30分に開催予定(荒天時は中止)。見逃したくない人は、今からスケジュールを開けておくといいだろう。