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焼酎メーカー「甘酒でコーラ作りました」←どういうこと? 霧島酒造が生み出した「謎のドリンク」を飲んでみた

横田 絢

横田 絢

2022.07.27 17:00
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今、何かと流行りの「クラフトコーラ」に、一味違う新顔が登場した。

本格芋焼酎・黒霧島でお馴染みの霧島酒造(本社:宮崎県都城市)が生んだ「KIRISHIMA CRAFT COLA(霧島クラフトコーラ)」である。

ラベルには宮崎県産の柑橘類と霧島山が描かれている
ラベルには宮崎県産の柑橘類と霧島山が描かれている

こちらは炭酸水で割ることでコーラになるシロップ。コーラという飲み物は様々なスパイスが配合されていて、「KIRISHIMA CRAFT COLA」ももちろんそうなのだが、他では見ない材料も使われている。

それは、「甘酒」。

このシロップは焼酎造りに欠かせない「麹」で作った甘酒をベースに、宮崎県産の柑橘類などを配合した、霧島酒造ならではのコーラの素なのだ。

甘酒のコーラって......謎すぎる。どんな味なのか全く想像がつかないので、とりあえず飲んでみることにしよう。

こんなコーラ、飲んだことない!

まずはグラスに原液を入れてみる。黒っぽい茶色で、果肉や果皮、砕かれたスパイスの粒が入っていて、ドロッとしている。

香りはスパイシーで、柑橘類の爽やかさも強く感じた。ちょっと舐めてみるとかなり濃厚で、甘味の奥に柑橘の皮のかすかな苦味があり、複雑な味わいだ。

原液はかなり黒い
原液はかなり黒い

炭酸水で割るときは、シロップ1に対して冷たい炭酸水を3入れてよく混ぜる。

これが「霧島クラフトコーラ」だ!
これが「霧島クラフトコーラ」だ!

炭酸水割りを飲むと、まず口に広がるのは柑橘の爽やかな風味だ。その後カルダモンやクローブ、ショウガの香りが鼻に抜けていく。

最大の驚きは、その後味。炭酸の刺激が去ったあとの口に、甘酒を飲んだ後のまったりした感じが残っているのだ。こんなシュワシュワ、飲んだことないぞ......!

コーラと相性がバツグンの食べ物と言えば具だくさんで食べ応えのあるこってりとしたピザだが、霧島クラフトコーラはそれよりも、素材の味を楽しめるシンプルかつ本格的な「ピッツァ」に合いそうだ。

牛乳で割るとスイーツに

プレスリリースによると、霧島クラフトコーラは炭酸水だけでなく、牛乳や温かい紅茶で割るのもオススメらしい。

牛乳で割ってみました(シロップ1:牛乳4)
牛乳で割ってみました(シロップ1:牛乳4)

というわけで、こちらが牛乳割り。

筆者もビックリしたのだが、炭酸で割った時とは感じる甘味がまるで違う! まろやかな甘さが広がり、もうスイーツを食べている気分だ。

また、牛乳よりもスッキリ飲みたいけど、炭酸水よりはまったりしたいなら、豆乳割りがオススメ。

記者のイチオシは豆乳割り(シロップ1:豆乳4)
記者のイチオシは豆乳割り(シロップ1:豆乳4)

見た目は牛乳割りとほとんど一緒だが、味わいはかなり違う。サラッとしていて、夜眠る前に飲むとリラックスできそうな気がする。

記者が次に試したのは、温かい紅茶割り。霧島クラフトコーラは、ここでまた新たな表情を見せてくれた。

温かい紅茶にイン(シロップ1:紅茶3)
温かい紅茶にイン(シロップ1:紅茶3)

紅茶に入れると、まるでレモンティーのようになるのである。しかも、甘酒のおかげでただレモンを入れるよりも深みがあってこっくりとしている。

霧島クラフトコーラ1本で、こんなにいろんな味を楽しめるなんて、思いもしなかった!

「黒霧島」を生み出す「黒麹」を使って、新商品を作りたい!

その後もオリーブオイルや塩と合わせてドレッシングにしてサラダにかけてみたり(サッパリ食べられた)、モッツアレラチーズにかけてみたり(一気にスイーツに変身!)、シロップ×黒霧島×炭酸水の焼酎割りを作ってみたり(合わないワケがない!)、霧島クラフトコーラを目いっぱい楽しんだ記者だが、その存在を知った時から気になっていた「なぜ焼酎の会社がクラフトコーラを?そしてなぜその中に甘酒を......?」という疑問が頭から離れない。

ならば直接聞いてみるしかあるまい――ということで、霧島クラフトコーラの開発に関わった皆さんを取材してみることにした。

まず、同社PR課主任の内田沙樹さんが教えてくれたのは、霧島酒造は単なる焼酎メーカーではなく「総合食品文化企業」を掲げているということだ。

同社は100年以上もの間、宮崎で焼酎を作り続けてきた。そしてその中で培ってきた発酵技術を生かして、様々な商品の開発を行っているという。

2008年に誕生した、焼酎造りの過程で得られる「焼酎モロミ」を使ったパン(焼酎の里 霧島ファクトリーガーデンのウェブサイトより)
2008年に誕生した、焼酎造りの過程で得られる「焼酎モロミ」を使ったパン(焼酎の里 霧島ファクトリーガーデンのウェブサイトより)

そんなチャレンジの中で生まれたのが、霧島クラフトコーラだ。

近年は「アルコール離れ」が進んでいるとも言われ、ノンアルコール飲料市場も成長を続けている。そこで同社では、お酒好きもそうでない人も、まだお酒が飲めない人も一緒に楽しめる「シロップ」を作ることにした。

霧島クラフトコーラには、霧島酒造がコーラのために独自開発した「黒麹」で造った甘酒が使われている。

同社研究開発部の主任・瀬戸口翔さんはこう語る。

「霧島酒造の主力商品は黒麹を使って作る黒霧島で、黒麹に支えられているといっても過言ではありません。
だから、できるなら黒麹を使った食品を作りたかった」

しかし、黒麹はその名の通り、黒い。焼酎造りに使う「麹」からできた甘酒を活用した商品開発を始めたものの、黒麹で造る甘酒では見栄えが悪くなってしまったそう。

「味は美味しいんだけど、食品に利用するのはなかなか難しいと思っていました。でも、開発を続けている中で、クラフトコーラが世間的に注目を集め始めたんです。
コーラだったらもともと茶色っぽいから、黒麹甘酒も利用できるんじゃないか、と今回の開発に至っています」(瀬戸口さん)

黒いコーラなら、黒い甘酒の魅力を伝えるのにぴったりだった、というわけだ。

焼酎造りの技術×地元への愛=霧島クラフトコーラ

甘酒に加えられた15種類の素材。うち6種は地元産(プレスリリースより)
甘酒に加えられた15種類の素材。うち6種は地元産(プレスリリースより)

そんな霧島酒造オリジナルの黒麹で造った甘酒に、地元・宮崎県産の「へべす」「マイヤーレモン」「日向夏」「金柑」「生姜」「塩」を含む15種類の素材を加えて煮込み、奥行きのある味わいに仕上がった「霧島クラフトコーラ」。

発案から製品化までにかけたのは1年ほど。黒麹製の甘酒も柑橘類も共に酸味が強い食品のため、すっぱくなりすぎないようにするために、かなりの苦心をしたそうだ。

最後の最後まで微調整を重ね、ついに完成したシロップを口にしたときは「柑橘の皮がいい感じに入っていて、狙い通り美味しいものが出来たと感じました」と瀬戸口さん。

甘酒を使用していないクラフトコーラに比べると、アミノ酸やオリゴ糖の成分が多く、「コーラなのに体に良さそう」というのも嬉しいポイントだ。

焼酎造りで培った技術と、地元への愛が詰まったこの商品は、霧島酒造が運営する施設「焼酎の里 霧島ファクトリーガーデン」のショップ(22年7月15日~)と、同社オンラインショップ(22年7月25日~)で購入できる。

数量限定なので、気になる方はお早めにどうぞ。

価格は1本2000円(税込み)。

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