「新幹線のホームで、僕の顔をジロジロ見てくる見知らぬ老女。やがて傍まで近づいてきて『お兄さん...』」(岩手県・50代男性)
2022.07.21 11:01
「私があと50年若かったら...」
「顔に何か付いているのかなぁ」と思った私は顔を触ってみたり、身の回りを確認してみたりしましたが、特におかしなところはありません。
そしてしばらくすると、おばあちゃんは思い切ったように私に話しかけてきました。
「お兄さん、亡くなった私の主人の若い頃にそっくりで、つい見てしまいました。私があと50年若かったら......と思ってしまいました」
私は「こんなことを素直に言葉にするおばあちゃんがいるんだ」とびっくりしましたが、「そうだったんですか。すごくカッコいいご主人だったんですね」と冗談で返しました。そして続けて
「私があと50年、歳をとっておばあちゃんに会っていたら、おばあちゃんを好きになっていたと思います」
と言うと、おばあちゃんは笑いながら少しだけ涙ぐんでいました。