ココからあなたの
都道府県を選択!
全国
猛者
自販機
家族
グルメ
あの時はありがとう
旅先いい話

「新幹線のホームで、僕の顔をジロジロ見てくる見知らぬ老女。やがて傍まで近づいてきて『お兄さん...』」(岩手県・50代男性)

井上 慧果

井上 慧果

2022.07.21 11:01
0

シリーズ読者投稿~忘れられない「あの人」と~ 投稿者:Eさん(岩手県・50代男性)

その日、駅のホームで帰りの新幹線を待っていたEさんは遠くから自分を見つめる視線に気づいた。それは見知らぬおばあさんのもので、Eさんは自分や身の回りに何か異変があるのかと確認したが、おかしなものは見当たらない。

しかしおばあさんは彼のすぐ隣までやってくると、思い切ったように声をかけてきたという。

新幹線のホームでの出来事(画像はイメージ)
新幹線のホームでの出来事(画像はイメージ)

<Eさんの体験談>

今から30年以上前、出張で仙台に行った帰り、ホームにあるベンチに座って新幹線を待っていた時のことです。

70代ぐらいのおばあちゃんが少し離れたところから、私のことをジロジロと見ていました。

彼女はそのうち私の隣にすっと座ってきて、時々下から私の顔を見上げてくるのです。

「私があと50年若かったら...」

「顔に何か付いているのかなぁ」と思った私は顔を触ってみたり、身の回りを確認してみたりしましたが、特におかしなところはありません。

そしてしばらくすると、おばあちゃんは思い切ったように私に話しかけてきました。

「お兄さん、亡くなった私の主人の若い頃にそっくりで、つい見てしまいました。私があと50年若かったら......と思ってしまいました」
「私の主人にそっくりで...」(画像はイメージ)
「私の主人にそっくりで...」(画像はイメージ)

私は「こんなことを素直に言葉にするおばあちゃんがいるんだ」とびっくりしましたが、「そうだったんですか。すごくカッコいいご主人だったんですね」と冗談で返しました。そして続けて

「私があと50年、歳をとっておばあちゃんに会っていたら、おばあちゃんを好きになっていたと思います」

と言うと、おばあちゃんは笑いながら少しだけ涙ぐんでいました。

彼女のことを思い出す時は、今でも...

もっと彼女の話を聞いてみたいと思ったのですが、そこに私の乗る新幹線が到着。おばあちゃんとは「元気でね」と言って別れました。

でも、後になって思ったんです。新幹線を1本遅らせてもおばあちゃんともう少しお話すれば良かった、と。

思い出の中の彼女は...(画像はイメージ)
思い出の中の彼女は...(画像はイメージ)

今でも彼女を思い出すときは、一人の女性として思い出します。

今でも忘れられない人はいますか?

Jタウンネットでは読者の皆さんの「忘れられないあの人」との思い出を募集している。

読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージメール(toko@j-town.net)から、その人に出会った時期・場所、具体的なエピソード(どんな関係性だったか、どんなやりとりをしたかなど、500文字程度~)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

PAGETOP