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霧の向こうから、お迎えがやってきた...? 森の中に突如現れる「巨大な手」の正体は

福田 週人

福田 週人

2022.07.12 17:00
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「霧の中で迷子になると、でっかい手に持ってかれる」

そんな怪談じみた呟きと共に投稿された写真が、ツイッター上で話題になっている。

ひえっ......(画像はtoshibo@JIYUKENKYU_jpさんのツイートより)
ひえっ......(画像はtoshibo@JIYUKENKYU_jpさんのツイートより)

こちらは関東在住のツイッターユーザー・toshibo(@JIYUKENKYU_jp)さんが2022年6月30日に投稿した写真だ。

霧に覆われた薄暗い森の中、唐突に現れるのは......巨大な「手」。人間1人なら軽々と掴めてしまいそうなほどの大きさだ。まさか、森で迷ったら、本当に「連れていかれる」の......?

何のために存在しているのかわからない不気味な「手」に、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。

「コレ怖いですね」
「こんなん、目の前に出てきたら、一瞬、固まりそう(笑)」
「視線外したら手の形変わってそう」
「『うわぁ~~~』って言いながら、霧の中に引きずり込まれるやつ」

一体、これは何なのか? Jタウンネット記者は、撮影者のtoshiboさんに話を聞いた。

実は奉納品だった

toshiboさんが話題の「手」と遭遇したのは、埼玉県飯能市にある天台宗の寺院「子ノ権現天龍寺」の境内から少し離れた山の中。

昔からこの場所のことは知っていたというtoshiboさんは21年8月の「霧が出ていそうな雨の日」を狙って撮影に向かった。

「少し待ちましたが、上手いこと深い霧に包まれていたので、狙い通りの感じでいい写真が撮れたかと思います。霧があったおかげか、ミステリアスな雰囲気があってとても良かったです。こんな風景はなかなかお目に掛かれないので、大切な一枚となりました」(toshiboさん)

それにしても、この巨大な「手」は何なのだろうか。Jタウンネット記者は8日、子ノ権現天龍寺にも話を聞いた。

取材に応じた住職の安藤亮伸さんによると、「手」は2008年に同寺に奉納されたオブジェ。大きさは片方の手だけで2畳ほどだが、中は空洞になっているので、見た目よりも軽いという。

「お寺のある山の麓に、京都精華大学芸術学部の教授さんが開いているアトリエがあるんですが、そこの教授さんが作ったものです。もともとはご自身の個展用に作ったもののようですが、その後お寺に奉納していただきました」(安藤さん)
昼間の様子(画像は子ノ権現天龍寺公式サイトより)
昼間の様子(画像は子ノ権現天龍寺公式サイトより)

子ノ権現天龍寺は足腰の健康にご利益のある寺で、公式サイトによると、足腰の調子が悪い人はもちろん、農林漁業従事者やスポーツ選手、登山家の人達が参拝に訪れる。このほか、人間の足から転じて、自転車やバイクの交通安全祈願をする人も多くいるそうだ。

「上に乗ったりはしないように」

「足腰にご利益のあるお寺なのですが、教授さんは『自分は足腰だけじゃなくて体全体を使う仕事だから』ということで、せっかくの作品を放置しておくのはもったいないというのもあり、『手』を奉納していただきました」(安藤さん)

ただ、お寺の境内に置くにはいかんせん大きいので、少し離れた場所の山の中に設置することになったという。

そのため、「お寺と関係のあるものと分かりづらい場所にあるため、何だこれはと驚かれる方も多いようです」。

画像は再掲
画像は再掲

ただ、興味を持って近づいた参拝客の中には、「手」の中に座ってしまう人もいるそうで、安藤さんは

「手で触る程度なら大丈夫ですが、本体はロープで簡単に支えているだけなので、上に乗ったりすると転がってしまったりする可能性があって危ないので控えてほしいです」

と注意を促した。「手」に会いに行ったら、そっと眺めるだけにしておこう。

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