動物園の「たぬきのステータス」ポスターに、ウマ娘トレーナー大盛り上がり 飼育員の「推し」はやっぱり...
「既視感」
そんな言葉と共に投稿された一枚の画像がツイッターで注目を集めている。
写真に映っているのは、
「たぬきのステータス」
と書かれた貼り紙だ。エゾタヌキのプロフィールとして「雑食性」であることや「冬はモフモフとする」、「脚は短い」といった基本情報が書かれているが、それだけではなく「スピード」や「スタミナ」といった能力値が、A~Eのアルファベットで表記されている。
これは見覚えがある......と感じた読者、否、「トレーナー」の方もいることだろう。
そう、このエゾタヌキの紹介ポスターは人気ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」内に登場する「ウマ娘詳細」風になっているのだ。
この画像を2022年6月16日、ツイッターに投稿したのは、そんなウマ娘プレイヤーの1人・るんるん(@UMAgirls_Circle)さんだ。
いったいどこで見つけたものなのか。Jタウンネット記者が詳細を聞いた。
空いてるスペースにそっと展示されていた...?
るんるんさんによれば、ウマ娘風エゾタヌキ紹介ポスターを撮影したのは16日の10時半ごろ。おびひろ動物園(北海道帯広市)のにある遊園地ゾーンの一角で発見したという。
「(ポスターは)空いているスペースに展示されている感じでした。正直、華やかさはなかったです。
でかでかと貼り出していなかったのでむしろそれが面白かったです。
ちょ、これ、見たことあるやつ!ウマ娘やん、って思って写真撮りました。よくよく見てみると二つ名やスキルまでちゃんと書かれていたので、ひとりでニヤニヤしていました」(るんるんさん)
Jタウンネット記者がおびひろ動物園にもこの紹介ポスターの詳細を聞いたところ、作成したのはエゾタヌキ担当飼育員。
取材に答えてくれた本人によると、「ウマ娘」風の紹介ポスターは21年4月から掲示されている。「ウマ娘」のリリースは同年の2月末のため、そのすぐ後から掲示されていたというわけだ。
「プライベートでゲームをプレイしていたのもありますが、担当動物ごとに比較して見るときに性質と特徴・習性、概要が収まった綺麗なUIだったため、オマージュしました。
ちなみに私はメジロ、マチカネ、ドトウ推しです」(ウマ娘好きのエゾタヌキ担当飼育員、以下同)
確かに、このデザインはウマ娘を知らない人が見ても分かりやすい。動物園のニーズにも、合っていたというわけだ。とはいえそれだけではなく、ちゃっかり推しも教えてくれた担当者のウマ娘愛も感じられる。
ちなみに、ウマ娘のゲームにはドトウこと「メイショウドトウ」に懐くタヌキが登場。彼女のモデルになった元競走馬・メイショウドトウにも、2019年4月に厩舎に入り込んだタヌキと共同生活していたというエピソードがある。
そんなドトウ推しだというところも、さすがはタヌキの担当飼育員だ。
丁寧なつくりにこだわり、フォントは...
そんなウマ娘好き飼育員がポスター作成においてこだわった点は、「丁寧なつくり」。文字にはフリーフォントの「たぬき油性マジック」を使用するなど、細部までこだわり抜かれている。
なお、エゾタヌキだけでなくキタキツネ・アライグマ・チンパンジーの飼育担当でもあるので、その動物たちもウマ娘風に紹介しているそうだ。スキル項目のチョイスやステータス値をどれくらいにするかは担当者の主観だが、それぞれの性質を表せるようにしているという。
「探索型のタヌキや、狩猟型のキツネ、適応力が高すぎる特定外来生物のアライグマに、知と力のチンパンジーの特徴を表せればと思っています」
ウマ娘風エゾタヌキの紹介ポスターに対し、ツイッターでは
「行きてえ......!!」
「ちゃんと丁寧にスキル表記してて笑うw」
「スピードと器用さが低いの、鈍臭いタヌキらしさ出てて好き」
「たぬぴょい♪たぬぴょい♪」
「なるほど、ドトたんに懐いてたたぬきはお前だったのか......w」
とウマ娘ファンをはじめ、多くの反応が寄せられて話題になっている。こうした反響に対し、担当者は以下のように述べた。
「タヌキについて日々情報発信しており、同時に伝わりやすさも大事かなと思っていた時にこのような形で皆様に理解していただけてうれしい限りです。
ぜひエゾタヌキという種にも興味を持っていただければ幸いです」