ココからあなたの
都道府県を選択!
全国
猛者
自販機
家族
グルメ
あの時はありがとう
旅先いい話

アレもコレも「本物」です 能登半島の小さな街にある「宇宙博物館」がとにかくガチすぎる

松葉 純一

松葉 純一

2022.05.25 20:00
0

借用書に、「10 decade」と書き込んだ

さらに、その後見学に訪れたスミソニアン博物館での学芸員との会話から、彼は博物館には「本物の宇宙船やロボットが不可欠」だと確信することになる。

「こうなったら(展示物は)自分で集めてくるしかないので、単身アメリカに渡りました。NASAに頼んで本物の宇宙機材を借りて来ようと思ったんです。
NASAの広報部長に頼んで収蔵庫を見せてもらったところ、月面・火星探査機『ルナ・マーズローバー』がありました。借りれるかどうか聞いたところ、『大丈夫だよ』と。さらに月の石もありました。これも貸してあげるよと。そんな調子でいろんなものを借りられることになったわけです。
そして事務所で借用書のようなものに、何年借りたいのか記入する欄があったので、そこに『10 decade』と書き込みました。実はこれ、100年って意味なんです(笑)。『なに馬鹿なこと書きやがって、ふざけた日本人だ。』と大笑いされました。
しかしこっちも必死だったので、『香港もイギリスに100年借りられてたんだから、私たちにも100年貸してください!』とわけのわからない理屈で説得しました。すると、NASAのスタッフたちは『こんなことを書くやつは今まで一人もいなかった』と気に入ってくれたんです。そして本当に100年の契約で貸してくれたんです。
博物館の入り口に置く予定だった本物のロケットも、NASAから格安で買うことが出来ました。本体はマグネシウム合金なので全く錆ません。維持管理費もほとんどゼロです。」(「コスモアイル羽咋」ウェブサイトより)
マーキュリー宇宙船(画像は「コスモアイル羽咋」ウェブサイトより)
マーキュリー宇宙船(画像は「コスモアイル羽咋」ウェブサイトより)

ロケットのレプリカを作るにはお金がかかりすぎることと、「本物の宇宙船やロケットが不可欠」であるという気付き。この2つが合わさって、「ガチ」な宇宙博物館の礎が築かれていったのだ。

高野さんのインタビューは、さらに続く。

「NASAの次はロシアです。ロシア宇宙局と連絡をとり、宇宙船を買い付ける話をまとめました。しかし、当時は信頼できる国とは言えなかったので、まずはアメリカに運んでもらい、NASAの人間に本物かどうか確かめてもらってから買うことにしました。
ロシアから運ばれた3機、『ヴォストーク宇宙カプセル』、『モルニア通信衛星』、『無人月面探査機ルナ24号』は、間違いなく本物でした。ルナ24号に至っては、世界に1機しか残っていないという大変貴重なものでした。私もNASAのスタッフも興奮気味でしたが、ロシアの連中が差し出した請求書の金額は、事前に電話で話していた金額よりも一桁多いんです」「コスモアイル羽咋」ウェブサイトより)

さて、まるでミステリー小説のようにスリリングな展開だが、結末はどうなったのか? 気になる方は「コスモアイル羽咋」のウェブサイトを訪れてほしい。

「宇宙人」も展示されてます
続きを読む
PAGETOP