これがレゴ製...だと? SF映画に出てきそうな「キカイな生物たち」に反響→作者にこだわりを聞く
レゴブロックを使って生み出された、今にも動き出しそうな「キカイな生物」がツイッターで注目を集めている。
こちらは、岡山県在住のDTPデザイナー(紙媒体の印刷物の企画・デザインなどをするデザイナー)・にかいどうさんが2022年4月30日に自身のツイッターアカウント(@uran120)に投稿した画像。
白い巻貝のような殻に足のないグレーの胴体、そしてニュッと伸びた触覚......そう、カタツムリだ。
かなりリアルなシルエットだが、これは全てレゴを使って形作られたもの。にかいどうさんは「レゴブロックでつくった機械な生物です」と説明する。
モノトーンのパーツが複雑に組み合わさっている様子は、さながらカタツムリ型のメカのようだ。
SF映画で出てきても違和感がなさそうな造形に、ツイッター上ではこんな声が寄せられている。
「レゴの発想力ビックリ!」
「うわっキモチワル(称賛)」
「これ、僕の知ってるレゴブロックと形が全然違うのですね」
Jタウンネット記者は5月2日、作品についてにかいどうさんに話を聞いた。
テーマは「生物を模倣した機械」
ツイッターのプロフィールによれば「レゴブロックビルダー」であるにかいどうさんは、月1作程度のペースでレゴ作品を制作し、作品をSNSやブログ(https://toyforce.net/)で公開している。話題になった投稿のレゴ作品は、2021年に制作したもの。
「レゴで機械みたいな生物を作る」という発想に至った経緯について、にかいどうさんは
「身の回りには、鳥の翼や魚の鱗といった『生物の機能・構造』を模倣した技術が多種多様にあります。今後、技術がより進化したとき、機械は生物の姿をより正確に模した物になっていくのではないだろうか? そんなテーマで作っております」
と説明した。
制作をする際は、まず一般的な板状・ブロック状のパーツを使って、大まかに芯を作る。その後、クリップパーツと呼ばれる板を斜めに配置できるパーツを使って細部を肉付け。最後にタイルと呼ばれる凹凸の無いパーツで表面処理をして完成だ。
制作にあたっては生物の骨格写真や図鑑、生物の動画を参考にしているそうだ。
「見ている方に一瞬でも空想の世界を」
また、作品作りの中でこだわった点や苦労した点については、
「いずれも2リットルのペットボトルよりも大きな体積なので、自重に耐える強度を出すのに苦労いたしました。特にハシビロコウなどは全高40センチメートルを超える大型で、スタンド無しでバランスよく自立させるのは大変苦労いたしました」
とにかいどうさん。本物そっくりに再現しつつ、崩れたり倒れたりしないように安定感も意識しなければいけないとは、たしかに大変な作業だろう。
それほどまでに苦労しながらも制作を続けるにかいどうさん。その魅力について、こう語る。
「作品には世界観やスケールなどの設定を一切明記していません。色に関してもいつも白を基調とする事で情報量を制限しています。
それによって、『人が乗るのか?』『手のひらサイズなのか?』『何の用途なのか?』など、見ている方に一瞬でも空想の世界を楽しんでいただける事が魅力かと思います」
レゴで作られた、謎の「機械生物」たち。にかいどうさんの次回作にも注目したい。