明治時代の雑誌から、古い「押し花」が発見される どこか切ない美しさに反響
「この出合いに感謝。ロマンだな」
投稿者の「古書森羅」さんは20年以上前にリアル店舗でオープンし、2006年からネット専門の古書店として営業しているという。「ネット販売なので、お客様は世界中にいらっしゃいます」ということだ。
押し花を見付けたのは3月11日。「本の掃除中に見付けて、あまりにもきれいなのでツイートしました」と話した。「書籍名は『家庭雑誌』という、1905年(明治38年)に発行された雑誌です」とのこと。
『家庭雑誌』は、日露戦争開戦前年の1903年、社会主義者・堺利彦が創刊した、家庭の近代化を目指した啓蒙雑誌だ。
花の種類を聞くと、「花の種類は、ツイッターで他の方にお教えいただいて、おそらく『萩』だと分かりました。私自身はただただ『わー、すごく古い押し花かも』と思っただけです」「あっという間に『萩では?』というツイートをいただいたので感動しました」と答えた。
ツイッターに寄せられた声を見てみよう。
「美しい萩の花。 いつ挟まれたか判らないけれど、秋にこの本を読んでいらしたのかしら」
「挟んだ方の想いも込められていますね。この出合いに感謝。ロマンだな」
「120年も前と思えない、紙や印刷、字体、文面。 明治大正って結構最近なのかも、なんて感じました」
「120年前の本。押し花。学生情死問題。大体が『情死』という言葉を今は使わないですね。この方はどんな思いでこの本を手に取り、そこにこの花を挟んだのだろうか。何故この花を。この花があるままで、この本を手に取りたくなりました」
押し花が挟まれていたのは、「『学生情死問題』余論」というタイトルの記事だ。記事の内容、時代背景、著者などの詳細は、Jタウンネット記者には残念ながら分からなかった。当時、学生の無理心中事件が話題になっていたのだろうか。平塚らいてうが那須塩原で心中未遂騒動を起こしたのは1908年だから、その数年前の記事のようだ。
ちなみに萩の花言葉は、「内気」「思案」「柔軟な精神」だという。