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「商品化あるのみ」「ちょうどいい」 斜め上の発想で作られた「36.8度の体温計」が超便利そう

井上 慧果

井上 慧果

2022.03.13 20:00
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「『36.8度の体温計』を作ってみた」

そう言われたら、皆さんはどんな体温計を思い浮かべるだろうか。

何度計っても体温が36.8度で表示される? いや、そんな非実用的なものではない。

温度ではなく...(画像はゐずみ@Monyaizumiさん提供)
温度ではなく...(画像はゐずみ@Monyaizumiさん提供)

なんと真ん中あたりから「36.8度」の角度に曲がっているのだ。

こちらの体温計は、発明家・プロダクトデザイナーのゐずみ(@Monyaizumi)さんが2022年3月8日、

「『36.8度の体温計』を作ってみたら、思いの外かなり測りやすい形の可能性が出てきたのでご報告します」

とつぶやきながら投稿したもの。ツイッターでは12万6000件を超えるいいね(10日夕時点)のほか、

「斜め36.8度上の発想ですね」
「介護現場で欲しいぃ」
「商品化あるのみ」
「体温としても角度としても、ちょうどいい」

などといったコメントが寄せられ、話題になっている。

なぜ曲げようと思ったのか。またどんなところに実用性が? Jタウンネット記者は9日、ゐずみさんを取材した。

めちゃ便利だ...!

この「36.8度の体温計」は、ゐずみさんが一週間ほどかけて3DCGソフトで制作したもの。ツイートには「どうやって曲げたのか」といった疑問も寄せられていたが、CG作品だ。

作品が誕生した経緯を、ゐずみさんはこう語る。

「温度と角度って全く概念が異なるのにどっちも単位が『度(Degree)』でおもしろいなと子供のころから思っていたので、体温(℃)を測る体温計を『度(°)』で折り曲げてみたいな、っていうただの妄想ネタがきっかけでした。
思いついた時点で、使いやすそうなイメージまでたどり着けたので、プロトタイピングに取り掛かった経緯になります」

ゐずみさんはその頭の中にあったイメージを元に3DCGで形をモデリングし、本当に計測しやすいかどうかの検証も行っている。

正しい測り方(画像はゐずみ@Monyaizumiさん提供)
正しい測り方(画像はゐずみ@Monyaizumiさん提供)

ゐずみさんが検証時に参考にしたという健康機器メーカー・オムロンヘルスケアの公式ウェブサイト(https://www.healthcare.omron.co.jp/product/mc/mc-summary.html)によれば体温計を脇に挟んで測る場合に適切な角度は30~45度。

つまりこの「36.8度の体温計」は、確かに実用性に優れているのだ。

実際にオムロンヘルスケアをはじめとした各メーカーからは、脇に挟む部分にゴム素材などを使用することで、柔らかく角度がつけやすい体温計も発売されている。

商品化を望む声も多数

ゐずみさんは、「36.8度の体温計」に対する反響のなかでは特に、介護現場や育児で使いたいといった声が多かったのが印象的だったという。

「誰でも使いやすいユニバーサルなデザインになる意識はあったので、幅広い方々に使っていただけるだろうなというイメージこそありましたが、『介護現場』『育児』『病院』など、第三者が体温を計測するシチュエーションでの機能性の発揮は個人的にも目から鱗でした。もしそういった場でも役立てるようなら本当に嬉しいです」(ゐずみさん)
服を着たままでも測りやすそう(画像はゐずみ@Monyaizumiさん提供)
服を着たままでも測りやすそう(画像はゐずみ@Monyaizumiさん提供)

また、商品化を望む声が多くあったことについては

「何かとまだ検証の必要はあると思っていますが、前向きに実装化できないかも検討中です」

とコメントした。

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