路線バスでサウナ...だと? 兵庫・神姫バスの新戦略がハチャメチャに楽しそう
[かんさい情報ネットten.―読売テレビ]2022年3月4日放送では、驚きの取り組みを開始した兵庫県のバス会社を紹介していました。
兵庫県を拠点とするバス会社・神姫バス(本社:姫路市)によると、コロナ前と比べて路線バスの売り上げは6割減。通勤・通学客が路線バスの大きなウェイトを占めているため、テレワークや学校の休校でみるみるお客様が減っているそうです。
全国的に見ても、去年の全国乗客数は路線バス24%減、高速バスは59%減とのことです(国土交通省調べ 2019年比)。
この危機的状況を打開するために神姫バスが始めたのが移動式出張サウナ「サバス」です。
バス内がサウナ室になっていて座席が8~12人座れる仕様になっています。
企画を立ち上げた同社の事業戦略部・松原安理佐さんは、
「フィンランドでサウナバスが走っているのを知って、これを日本の路線バスでやったら面白いのではと考え始めたのがきっかけです」
と話します。
引退した路線バスの車体を再利用し、去年10月にサウナのストーブを本場フィンランドから取り寄せ専門業者に依頼して大改造しました。
この企画を考え始めてからサウナに入るようになったという松原さんは、こう語ります。
「元々サウナカーは日本の規定にはないので、どうやって車検通そうかなとか、どうやったらバスの揺れに耐えられる造りになるかなとか、ひとつずつが初めてでハードルがすごくあった」
手探り状態から生まれ変わった路線バス
半年間の試行錯誤を経たサウナバスには様々な工夫がいっぱい。
バスに乗る際に取る券が出てくる整理券ボックスを給水タンクに。
降車ボタンが押されると、熱したサウナストーンに水がかかり蒸気を発生させる仕組みになっています。通称「蒸気降りますボタン」というそうです。
温泉施設、宿泊施設での活用以外に「商業施設のイベントで使いたい」など、全国のいろんな県から問い合わせがあるそうです。
「こんなところから興味を持っていただいてるんだという引き合いが多くて、すごくうれしい」
と松原さん。
サウナバスの側面にある行き先表示器には「サウナ→水風呂→外気浴→ととのう」の文字が。今までになかった移動式サウナバスは、まさにバスの強みを生かした新戦略だと言えそうです。
(ライター:まみ)