「東日本大震災の夜、帰り道は大渋滞。車の中で耐えていたら、中華料理店のスタッフに声をかけられて...」(千葉県・50代性別不明)
「これ食べて気をつけて!」
東日本大震災の夜、東京は電車が止まり、道路は帰宅困難者の人と車で溢れかえっていました。
その時私は、千葉県に住む同僚たち数人と一緒に、会社のハイエースに乗って帰宅中。会社から自宅まで、通常なら車で30分程の場所に住んでいましたが、その日は大渋滞のために4~5時間はかかってしまいました。
そんな大変な帰宅の道中のことです。江戸川を渡ってようやく千葉県に入ったところで、近くにあった中華料理屋のスタッフが、渋滞で停まっている車の助手席に声をかけて、おにぎりを配っていました。
そのスタッフは私たちの車にもやってきて、
「何人乗ってるの?」
「これ食べて気をつけて!」
と、人数分のおにぎりをくれたんです。
お店から食料が消えた夜だったのでみんなお腹が空いていて、だからこそ本当に美味しかったし嬉しかったし、すごく励まされました。あの塩むすびの味を忘れることはできません。