道を切り拓く勇者みたい...! 豪雪地帯の「雪下ろし」が豪快すぎておののくレベル
「危機的状況に勇者が現れた感があってカッコいいですね」
「ファミコンゲームのリアル版」
「『ドラゴンボールZ』のオープニングで見たような映像ですな」
青森県観光企画課の公式ツイッターアカウント「まるごと青森」(@marugotoaomori)が2022年3月1日に投稿した動画にそんな反応が寄せられている。
ツイッター上で多くの関心を集めたその映像。実は、意外にも雪下ろしの光景を捉えたものなのだ。
屋根に積もった人よりも大きな雪の塊がちょっとずつ動き、豪快に地上へズドン。そして、雪があった場所に人が現れる――まるで道の邪魔になる岩を退かす勇者のようだ。
この動画は青森・八甲田山中にある温泉宿「酸ヶ湯温泉旅館」で撮影されたもの。元々は、3月1日に旅館のFacebookページで公開され、まるごと青森が許可を得てツイッターに投稿した。
こんな大きな塊をたった2人で動かせるとは、どんな強者なのだろうか。Jタウンネット記者は3月7日、動画を撮影した酸ヶ湯温泉旅館の宿泊営業課の担当者に話を聞いた。
「最初は1人でやろうと......」
担当者によると、雪下ろしを行っていたのは旅館の管理課のスタッフ。普段は施設の管理を行っているという。
「動画は2月28日に撮影しました。この日は、屋根に2メートル50センチくらい雪がありましたね。
雪の裏にちょうど食堂の窓があって、そこから管理課の者が命綱をつけて出て作業を行いました。最初は1人で動かそうとしていたのですが、それじゃ動かなくて2人で下ろしたみたいです」(酸ヶ湯温泉の担当者)
大きな雪の塊を2人で動かすなんてすごい......と生まれも育ちも埼玉・白岡の筆者は思ってしまう。しかし、青森県民であれば、この程度の雪は慣れっこなのだろうか。
そこで日本気象協会のウェブサイトを見てみると、動画が撮影された2月28日、酸ヶ湯では積雪が4メートル超えを記録。一方、青森市花園にある青森地方気象台では同日の積雪量が1メートル10センチ程度だったため、とんでもない差がついている(それでもすごい積雪だが...)。
「今回投稿した動画は青森県民でもびっくりすると思いますよ。酸ヶ湯は県内でもダントツで積雪が多いですからね」
と酸ヶ湯温泉旅館の担当者。青森県民にとっても、衝撃的な光景だったようだ。