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社会課題に立ち向かう「挑戦者」×「最強のセコンド」 未来を変える戦いが、広島で始まっていた!

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2022.03.08 12:00
提供元:広島県

「セコンド」がスペシャリストすぎた

例えば、「RING HIROSHIMA」で採択されたプロジェクトの一つ「尿トラブル問題の解決」の場合。

挑戦者の石硯登貴子(いしずり・ときこ)さんは、出産後、尿トラブルに悩んでいた時期があり、その経験から、尿トラブルがもたらす不安や羞恥心は、生活の質(QOL)の低下を招くと考えている。

だから、尿トラブルを抱える産後の女性や高齢者のために、自身が考案した心と身体をケアする尿ケアメソッド「イントレ」を普及させたり、尿ケアの啓発活動などを実施したりしたい――それが彼女の実現したい「夢」だ。

それを応援するのが、石硯さん専属のセコンド・元木昭宏さんである。

セコンドの元木昭宏さん
セコンドの元木昭宏さん

元木さんは、新卒で地元広島の自動車メーカー「マツダ」に入社し、プロジェクトマネージャーとして新型車開発の企画に従事。30年間勤めた後、現在は地域情報プラットフォームを運営する「ためま」(本社:広島県)で、起業したいと考えている人に向けた起業創業市民塾の運営をスタートした。いわば人をマネジメントし、動かすことができるスペシャリストだ。

セコンドとしては、挑戦者にどんなサポートをしているのだろうか。

「1番最初に出会った時に、まず石硯さんが現在何をしているのか、将来何を目指しているのかを確認しました。そのうえで本人ができることと、できないところを特定しました。
できないところは、私が代わりにやる。それでも足りない時は、外部から助けてもらいました」

石硯さんは、自身がトレーナーとして「イントレ」の講習会などを以前から開催していたものの、受講者がなかなか集まらず、自分の起業価値に疑問を持っていたという。

それでも「高齢化社会における尿トラブルという社会課題を考えると、事業化できる可能性は十分にあると思いましたね」と元木さん。

写真一番右が元木さん、その隣が石硯さん
写真一番右が元木さん、その隣が石硯さん

そこで元木さんが石硯さんのプロジェクトを成功させるために行ったのは、「人と会わせる」ということ。

大学の研究者に「イントレ」の実効性を検証するための調査方法をヒヤリングしたり、現在尿トラブルを抱える多くの人が頼っている尿漏れパンツを作っている側に話を聞いてみたり、様々な立場の人と交流して事業を拡大する方法を教えていく。

すると、石硯さんの考え方が大きく変わってきた。

「とにかく一緒にプロジェクトを遂行しようと伴走する中で、事業の規模を拡大するための動き方が分かってきて『自分ひとりがイントレのトレーナーをするだけでは幸せに出来る人が限られている。だからプラットフォーマーになって、全国展開できる事業に発展させるんだ』と思考の切り替えが出来つつあります」

そこで、自分以外のトレーナーの育成を開始。石硯さん以外にも「イントレ」を広めていける仲間が複数人集まった。今後は彼らと共に認知拡大を図っていくという。

実証実験が始まって、わずか3か月ほど。かつては石硯さんひとりの「活動」だったイントレは、元木さんのサポートを経て「事業」として羽ばたきつつある。

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