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社会課題に立ち向かう「挑戦者」×「最強のセコンド」 未来を変える戦いが、広島で始まっていた!

Jタウンネット編集部

Jタウンネット編集部

2022.03.08 12:00
提供元:広島県

「イノベーション立県」をかかげ、デジタル技術を用いて社会問題を解決しようとしてきた広島県。

2018年に始まった実証実験プロジェクト「ひろしまサンドボックス」には、市民や企業が挑戦・活躍できる場所がいくつも用意されている。

例えばコロナ禍における課題解決をテーマとした「D-EGGS PROJECT」やテクノロジーを活用できる人材の育成と地域の課題解決を同時に目指す「ひろしまQuest」。

そして今アツいのが、21年にスタートした新事業「RING HIROSHIMA」だ!

社会の課題を解決するためのプロジェクトを発案・実行する人を「挑戦者」とし、事業支援金として「ファイトマネー」100万円を用意。夢の実現を目指すことができる場が新たに作られたのだ。

ファイトマネーは100万円
ファイトマネーは100万円

21年夏に社会課題と戦う挑戦者を全国から募り、20件のプロジェクトが採択された。

地域密着クーポンアプリを展開して、広島の街を元気にしたい――
商店街の衰退と地域間のコミュニケーション不足を「VR」を使って解決したい――

そんな広島の地域課題のほか、フードロス対策といった規模の大きい社会課題の解決を目指す挑戦者もいる。

彼らに与えられた時間は、4か月。限られた時間で夢を実現するには、大きな困難もありそうだ。

でも、大丈夫。なぜなら挑戦者一人一人には、超力強い味方「セコンド」がついている。

「セコンド」がスペシャリストすぎた

例えば、「RING HIROSHIMA」で採択されたプロジェクトの一つ「尿トラブル問題の解決」の場合。

挑戦者の石硯登貴子(いしずり・ときこ)さんは、出産後、尿トラブルに悩んでいた時期があり、その経験から、尿トラブルがもたらす不安や羞恥心は、生活の質(QOL)の低下を招くと考えている。

だから、尿トラブルを抱える産後の女性や高齢者のために、自身が考案した心と身体をケアする尿ケアメソッド「イントレ」を普及させたり、尿ケアの啓発活動などを実施したりしたい――それが彼女の実現したい「夢」だ。

それを応援するのが、石硯さん専属のセコンド・元木昭宏さんである。

セコンドの元木昭宏さん
セコンドの元木昭宏さん

元木さんは、新卒で地元広島の自動車メーカー「マツダ」に入社し、プロジェクトマネージャーとして新型車開発の企画に従事。30年間勤めた後、現在は地域情報プラットフォームを運営する「ためま」(本社:広島県)で、起業したいと考えている人に向けた起業創業市民塾の運営をスタートした。いわば人をマネジメントし、動かすことができるスペシャリストだ。

セコンドとしては、挑戦者にどんなサポートをしているのだろうか。

「1番最初に出会った時に、まず石硯さんが現在何をしているのか、将来何を目指しているのかを確認しました。そのうえで本人ができることと、できないところを特定しました。
できないところは、私が代わりにやる。それでも足りない時は、外部から助けてもらいました」

石硯さんは、自身がトレーナーとして「イントレ」の講習会などを以前から開催していたものの、受講者がなかなか集まらず、自分の起業価値に疑問を持っていたという。

それでも「高齢化社会における尿トラブルという社会課題を考えると、事業化できる可能性は十分にあると思いましたね」と元木さん。

写真一番右が元木さん、その隣が石硯さん
写真一番右が元木さん、その隣が石硯さん

そこで元木さんが石硯さんのプロジェクトを成功させるために行ったのは、「人と会わせる」ということ。

大学の研究者に「イントレ」の実効性を検証するための調査方法をヒヤリングしたり、現在尿トラブルを抱える多くの人が頼っている尿漏れパンツを作っている側に話を聞いてみたり、様々な立場の人と交流して事業を拡大する方法を教えていく。

すると、石硯さんの考え方が大きく変わってきた。

「とにかく一緒にプロジェクトを遂行しようと伴走する中で、事業の規模を拡大するための動き方が分かってきて『自分ひとりがイントレのトレーナーをするだけでは幸せに出来る人が限られている。だからプラットフォーマーになって、全国展開できる事業に発展させるんだ』と思考の切り替えが出来つつあります」

そこで、自分以外のトレーナーの育成を開始。石硯さん以外にも「イントレ」を広めていける仲間が複数人集まった。今後は彼らと共に認知拡大を図っていくという。

実証実験が始まって、わずか3か月ほど。かつては石硯さんひとりの「活動」だったイントレは、元木さんのサポートを経て「事業」として羽ばたきつつある。

なぜセコンド制度を導入したの?

夢に向かって走る人を、力の限り応援する人がいる――そんなセコンド制度は、どのように生まれたのか。

記者は次に、「RING HIROSHIMA」事務局を運営する広告代理店・第一エージェンシー(本社=広島県福山市)の宮川洋一ゼネラルマネージャーに話を聞いた。

「RING HIROSHIMA」事務局の宮川洋一さん
「RING HIROSHIMA」事務局の宮川洋一さん
「過去のプロジェクトを通して『ひろしまサンドボックス』内の関係者も増えてきたため、実証実験してくれた先輩たちが、後から来たチャレンジャーを引っ張っていくような場所を作りたかったんです。
そうなるためにチャレンジャーを直で運営が支援するのではなくて、『セコンド』も募集することにしました」

そう、「RING HIROSHIMA」では挑戦者だけでなく、「セコンド」も全国から公募したのだ。

挑戦者の募集と同様ネット上に広告を出すほか、ひろしまサンドボックスにかつて関わったことがある人に個別に案内を送ることも。その結果、はじめてサンドボックスを知った人、過去の実証実験に参加した人の両方から応募があった。

「挑戦者のファイトマネー(100万円)ほど活動費を用意できなかったものの、元木さんのように『広島を盛り上げたい』『スタートアップを支援したい』という人が沢山いらっしゃって嬉しかったですね」

そうやって集まったセコンドたちは挑戦者たちと共に、コンサルティング会社・LTSが提供する研修「エフェクチュエーションブートキャンプ」を受講。

LTSのビジネスコンサルティング第2部部長代行の日野浦弘樹さん
LTSのビジネスコンサルティング第2部部長代行の日野浦弘樹さん

ビジネスを成功に導くための行動方針を学ぶもので、研修会では「起業家の行動原則を体感してもらいました」と日野浦さん。プロジェクトごとに「自分自身が何をしたいのか」「実践していくにはどんな手段があるのか」という問いを解決するためにアイデアを出し合った。

宮川さんによると、この研修がセコンドのモチベーションアップにつながり、また、挑戦者同士の横のつながりが生まれるきっかけに。加えて事務局でもチャットツール「Slack」やビデオ会議ツール「zoom」などを活用し、挑戦者やセコンドが困ったときには相談できるようにすることで、「みんなで成長する環境」を整えたという。

挑戦者・セコンドの熱い闘志を感じてみて!

とにかく皆で挑戦者をサポートするんだ!

そんな想いの元で進められてきた実証実験の成果、読者の皆さんも気になってきたことだろう。

ここで一つお知らせだ。

来る2022年3月15日~18日の4日間、オンラインで「RING HIROSHIMA」の成果発表会「DRAFT WEEK」が行われる。誰でも視聴可能なだけでなく、期間限定で挑戦者に直接コンタクトをとれる。

未来を変えるチャレンジャーたちの姿を、ぜひその目に焼き付けてほしい!

<企画編集・Jタウンネット>

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